スチームトースターやグリーンファンシリーズなど、高機能でオシャレな家電で知られるバルミューダ。上場したばかりのこの人気ブランドの有価証券報告書から、投資家たちから評価されているポイントを探ります。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年1月8日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
新規上場のバルミューダが今後狙うべき製品カテゴリーとは?
私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeのほうも多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間がない」というお声を多数いただいています。
この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。

バルミューダ<6612> 日足(SBI証券提供)
バルミューダの有価証券報告書の印象は?
――(Asako)皆さん、こんにちは。今日は、12月16日に東京証券取引所マザーズに上場したばかりのバルミューダの有価証券報告書についてシバタさんに解説していただきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。
(シバタナオキ)今日は新しいMCの方に入っていただきまして、Asakoさんです。なぜかまたMCをやりたいという方に応募いただいている状況です。まず、簡単に自己紹介をしていただいて始めていければと思います。
――本業ではクロスボーダービジネスのマーケティングのお手伝いをさせていただいていて、本来はサンフランシスコに住んでいます。現在は一時的に東京にいる状況になっています。
では、早速、バルミューダいきましょう!
――バルミューダは、自然界に近い風を送り出すことができるグリーンファンシリーズやスチームトースターなど、オシャレで高性能な家電が人気のブランドになっています。また、自社工場を保有せず、外部の製造工場に製品の生産を委託するファブレスメーカーであることも特徴的と言えます。
――続いて、有価証券報告書の数字面をシバタさんと一緒に見ていきたいと思います。売上高に注目すると、13期~15期に関しては急激に成長を遂げていることが見受けられます。16期は売上高が約112億円、17期は約108億円です。18期の第3四半期は売上高が80億円程度ですので、通期でおそらく100億円前後に落ち着きそうです。売上高は直近3年間で横ばいで推移しているように見えます。数字面について、シバタさんはどのような印象をお持ちでしょうか?
まず、上場したばかりですが、売上が約100億円もあり、経常利益も10億円以上出ている点はすごいという印象です。特に2015年から2018年までの伸びがすごくて、行け行けドンドンでした。
その反面、2019年と2020年は、今おっしゃっていただいたように若干成長率が寝てきてしまっており、この辺りが少し厳しい気もします。
過去5年間ぐらいの成長を見ると、前半はすごく絶好調で後半は成長スピードがスローダウンしてしまっているというのが、この数字から見えるところだと思います。
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