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実は間違い「保険は無駄」説。美味しい節税効果と確率論の盲点とは=午堂登紀雄

掛け捨てではなく貯蓄型がオススメ

これらを掛け捨てではなく、満期返戻金がある貯蓄型のタイプで、返戻率(払い込んだ保険料に対し、満期や中途解約で戻ってくる金額)が高い保険に加入するのです。

たとえば私が加入している生命保険は、60歳まで払い込み65歳で受給すれば、返戻率が105%を超えます。個人年金は60歳以降の受給で110%を超えます。

確定給付型の保険はインフレに弱いですし、年間8万円以上保険に入っても税制上はメリットがありませんので、年間の保険料支払額が各々8万円を超えるギリギリの金額で加入すれば(月々7,000円弱)、少ない出費で最大の控除を受けることができます。

さらに、たいていの保険料はクレジットカードで支払うことができてカードのポイントも付きますから、1%ポイント還元のカードなら利回りはプラス1%アップ。

こうして、最大の控除が受けられる最小の金額で加入すれば、年利10%近い利回り商品となり、これが保険料を払い込んでいる期間ずっと続きます。

年利10%の運用ですよ!マイナス金利の時代、定期積立などをするよりも断然有利となるのがおわかりいただけると思います。

しかも、本人の努力や能力とは無関係、相場や為替レートなどとも無関係、誰でも恩恵にあずかれます(ただし変額保険などは外貨で運用するため為替レートの影響を受けます)。

なぜ多い?「保険は不要」と切り捨てる経済専門家

それなのに、保険は不要と切り捨てる経済専門家はなぜなのか。おそらく、節税機能を考慮せず、単に保険としての機能面のみを捉えているのでしょう。

しかし、合法的にお金を残すこともまた家計にとっては重要なはずなのに、節税を無視するのはやはり視点が欠けていると言わざるを得ないように感じます。

そして、もっと有利なのは確定拠出年金(DC)です。所得控除に上限がなく、掛け金全額が控除となりますし、これにも生命保険機能があり、加入者が障害状態になれば「障害給付金」が、死亡すれば「死亡一時金」が支払われる保険機能があります。

また、DC内で運用した金融商品の運用益は非課税で、投資信託の手数料も一般の証券口座のラインナップよりも格安。

節税や運用だけでなく、老後対策という意味でも最も有利な方法のひとつがDCだと私は考えています。

Next: どの保険に入るべき?米国公認会計士の筆者が考える保険活用術は

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