改善傾向は見られるが期待されていたほど順調ではない
それでは、先行指標や事前予想値を確認していきましょう。

図1:先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
全体的にはまずまずといった感じですが、市場がテーパリングを懸念するほどの強さというのは見られません。民間会社の発表する全米雇用報告も雇用者数は横ばい気味ですし、新規失業保険の申請件数も高止まりしたままです。
実際問題として、ここ数ヶ月の雇用統計は強めの数字が続いているものの、中身を見ると政府系の雇用が増えているだけで、民間雇用というのはあまり増えていないという現実があります。
事前予想値は前回からの反動期待もあって非農業部門雇用者数が+18.2万人と強めの数字となっていますが、ハードルとしてはなかなか高めの印象があります。トレードは下触れを想定して取り組みたいところでしょう。
ややスピード違反気味の上昇だが、引き続きドル円は「押し目」狙いで
未明のパウエルFRB議長の会見で期待されていた金利上昇の押さえ込みがないどころか、当面は静観する構えということで米長期金利の上昇に弾みがつき、ドル円も一足飛びで108円台まで上昇しています。
何度も繰り返していますが、ルールが変わってトレンドに変化があった時は、素直にそれに従った方が良いでしょう。
マーケットはかなり先を織り込んでいますから、仮に今回の雇用統計が弱くても無視する可能性すらあります。
ドル円は8ヶ月ぶりの水準に突入。流石に上昇ペースが早すぎるので、今日の雇用統計の数字次第では一旦調整下落もあり得ますが、非農業部門雇用者数が予想を大きく割り込む、マイナスになるというならともかく、プラス圏であれば過去のこととして、ワクチン普及後の未来を先取りした値動きが続く可能性は十分でしょう。
したがって、トレードとしては押し目買いを意識したいところでしょう。