ビットコインを安い取引所で買って高い取引所に送金
「ここはいつも安い」といったことはなく、自然にいくらかの差が生じるだけで、「今日のこの時間はたまたまA取引所が安く、あの時間はB取引所が安かった」という感じです。
したがって、C取引所がいつも安いからC取引所で買う、ということはできないのですが、価格差に注目して利益を得ることはできます。
具体的には、より安いところでビットコインを買い、高く売れる取引所を探し、その取引所にビットコインを送金。そこでビットコインを売るということです。これを「アービトラージ取引(裁定取引)」といいます。
それができるのは、ほとんど手数料がかからずに送金ができるからです。
手数料がかかってしまえば、そのコストを上回るだけの価格差がなければ利益が出ません。これはブロックチェーンの技術によって送金が安くできるビットコインの強みであり、送金手数料がほとんどかからないビットコインだからこそ、このような取引ができるのです。
基本的に、取引所による価格差は1BTCあたり何百円というほど大きなものではなく、何十円単位ですが、ほぼ手数料ゼロで送金できれば、それでも十分、リターンが得られるわけです。
たとえば、2016年9月某日では、買値が最も安かったのはB取引所で6万3199円。これを売値が高かったC取引所の6万4051円で売れば、852円の利益が得られます(手数料を考慮せず)。
わずかではありますが、これを1日2回、3回と行えば、利益が積み上がっていきます。お小遣い稼ぎの感覚でアービトラージをするというのも、ありでしょう。
なお、仮想通貨取引所に口座を開く場合、一般的に口座開設手数料や維持手数料はかかりませんから、コストを気にせず、複数の口座を持つことができます。
(次回に続く)
記事提供:biblion

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