バフェットも持っているというザ・ハーシー・カンパニー。実際の実力はどうなのでしょうか?1年前、私がザ・ハーシー・カンパニーを分析したとき、株価は、97.34ドルでした。しかし、当時私はこの株を、まだ下がるのでは?と考えていて買うことはありませんでした。11月24日現在の株価は、85.65ドル。これは割安なのかどうなのか?今の業績状況も踏まえて考えてみましょう。(『バフェットの眼』八木翼)

HERSHEY CO<HSY> 週足(SBI証券提供)
米最大手のチョコレート会社をバフェット流に分析
Q.1~その企業は消費者独占力を持っているか?
持っています。ザ・ハーシー・カンパニーのお菓子には独特の甘みの強さがあり、これじゃなきゃいやだという感じが確かにします。
消費者独占力を持っていると言える何よりの証拠が利益率が高いことです。日本でいう営業利益率に当たるものが13.96%です。悪くないですね。
Q.2~その企業を理解しているか?
チョコレートの製造会社です。それ以上でも以下でもないですね。
Q.3~その企業の製品・サービスは20年後も陳腐かしていないか?
ちなみに過去46年間の米国市場のデータを分析し、リターンが最も高い会社を順番に並べると、ザ・ハーシー・カンパニーは、17番目に入ってきます。
一番リターンが高いのはどこだったかご存じでしょうか?
たばこ訴訟が相次ぎ、何度も暴落の危機に見舞われた悪名高きフィリップ・モリス(現アルトリア・グループ)です。なんと、年率リターン19.75%です(配当も全て再投資に回したとしたとき)。
為替を考慮に入れないとして、もし、あなたが、1957年から2003年まで100万円を投資して持ち続けていたらいくらになっていたでしょうか?答えを教えると、あなたが明日からちゃんと仕事に行ってくれるか若干心配ですが(笑)、なんと33億2964万円です。そこら辺の金持ちとは、レベルが違います。
もちろん、アメリカではインフレがありましたが、もしあなたが貯金という選択肢を取っていれば、100万円は文字通り100万円のままでした。
なので、糖が健康を害するというニュースは、私はそこまで悲観的にとらえていません。糖が悪いというよりは、みんな糖を取りすぎなだけだと思っています。
糖が悪いというニュースを流してくれれば、その会社の株価は下がり、安く株が買えるようになります。それだけです。
Q.4~その企業はコングロマリットか?
コングロマリットではありませんね。チョコレートの製造に特化しています。
Q.5~その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか?
年 | EPS(ドル/株)TTM | 前年比成長率 |
2015 | 2.246 | -38.9 |
2014 | 3.7 | 6.6 |
2013 | 3.5 | 21.1 |
2012 | 2.8 | 6.8 |
2011 | 2.7 | 22.8 |
2010 | 2.2 | 27 |
2009 | 1.7 | 51.1 |
2008 | 1.1 | 5.3 |
2007 | 1.1 | -48.5 |
2006 | 2.1 | ― |
年平均EPS成長率……2.8%
はっきり言って、2004年からは、成長していませんが、安定していますよね。これはこれですごいことです。EPSは自社株買戻しなどで成長しているのが一番ですが、この会社は、配当も多めに出しているので、配当を再投資に回した時の収益率は悪くないでしょう。
Q.6~その企業は安定的に高いROE(株主資本利益率)をあげているか?
決算年 | ROE |
2015 | 39.82% |
2014 | 54.36% |
2013 | 70.41% |
2012 | 69.62% |
2011 | 68.47% |
2010 | 69.71% |
2009 | 85.23% |
2008 | 48.15% |
2007 | 48.29% |
2006 | 62.55% |
平均ROE……64.8%
いやー……恐ろしいですよね。どれだけ効率よく稼ぐんだということです。直近は、中国経済の減速や、乳製品の高騰で苦しんでいますが、それでもこの数字です。まったく問題ないでしょう。
確かに今がチャンスと言えそうですよね。中国の影響をもろに受けているのは、どうやらザ・ハーシー・カンパニーだったようです。
為替の影響も米株には好ましくなかったでしょうしね。
『バフェットの眼(有料版)』(2015年11月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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