リピーターの確保が難しい飲食店で「台風の目」となるか?
飲食チェーン店は成長しているうちは良いのですが、そのまま伸び続けることは容易ではありません。多くの場合、どこかで頭打ちになり、その後衰退してしまうことが多いからです。
例えば、ペッパーフードサービス<3053>が運営する「いきなりステーキ」は急速に店舗を拡大させましたが、あまりに急ぎすぎたせいか急激に下火になりました。

ペッパーフードサービス<3053> 月足(SBI証券提供)
何が難しいのかと考えると、結局はそれぞれの店舗の質を維持することだと思います。従業員教育はもちろん、店舗が経年劣化で古くなると徐々に客も離れていってしまいます。
また、そうでなくても最初は目新しさでお客さんはやってきますが、話題性がなくなると少しずつ離れていきます。チェーン店に限らず、リピーターの確保が長期的な経営には欠かせないのです。
その点、コメダは地元密着で、土地に根付いた主婦層の需要を取り込めれば手堅い運営ができそうです。出店も急ぎすぎている感じもせず、安定した経営という印象を受けます。
一方で、堅実経営ゆえに急速に伸びるわけではありません。成長率は年数%にとどまります。のれんや借入金も多く、拡大スピードにも限界がありそうです。
直近で株価は下落傾向にありますが、PER17倍とそこまで割安感もありません。外食としては安定性が高い企業だと思うので、安くなったら検討したいと考えます。

コメダHD<3543> 週足(SBI証券提供)
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image by: pelebong / Shutterstock.com
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年8月9日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。