下がりにくく、運が良ければ上がる性質を持つ銘柄
もちろん、それでも上がる可能性は十分にあります。
安田倉庫に関して言えば、直近で利益は増えていますし、そうでなくても利益が出ているだけで純資産はどんどん積み上がりますから、割安感は年々高まります。これがどこかで見直されてもおかしくありません。

【出典】マネックス証券
また、今のところ配当性向は約20%と渋いですが、これを一気に引き上げるとなれば、新たな投資家を引きつける可能性があります。財務状況はそれができるほど健全です。
何より、最低限の価値が保有資産によって保証されているうえ、「運が良ければ2倍程度まで伸びる可能性がある」という点においてリスク対リターンが優れている銘柄と言えます。
まとめると、以下のようになります。
- 株価は保有資産の半分以下と割安
- 買収防衛策の導入によりカタリストは発生しにくい
- 価値は保証され、運次第で伸びる可能性がある
要するに「いつ上がるか」という時間リスクとの戦いです。このような「資産バリュー株」への投資は決して効率が良いとは言えませんが、非常に手堅いものです。知っておいて悪くはないでしょう。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。
※表記に間違いがあり、本文の一部を訂正しました。(2019年8月26日)
image by: WHYFRAME / Shutterstock.com
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年8月22日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。