今年は、為替も株も「上がれば売り」でいいのではないか、と思います。まずは「105円」が目安ですが、100円までオーバーシュートする可能性も否定できません。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』)
プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。
十指にあまる円高要因 100円までオーバーシュートの可能性も
「円高」主導の「株安」
G20が終わってのマーケットは、円高・株安の方向に動きました。「G20で何も成果がなかったから」というよりは、
- 相場の流れが「円高」に傾いている
- 株式相場も「円高」に引きずられて下げやすい
という状況になっているからだ、と思います。つまり、「円高」主導の「株安」ではないか、と。
では「なぜ円高か?」ですが、今、世界には、十指にあまる円高要因がひしめいています。思いつくままに挙げてみましょう。
- 原油価格が上がらない(原油安=円高)
- 中国の経済減速
- 米国経済のムードが悪い(リセッション懸念)
- ここ2年ほど円が売られすぎており円に割安感がある
- アメリカの長期金利が下がっている
- 世界経済の減速
- 日本の金融政策に限界が見えている
- 通貨安競争に批判が高まっている
- アメリカの次期大統領候補たちが円安を牽制している
- イギリスのEU離脱懸念
ざっと、これだけの「円高要因」があるのです。
円高で米ドル/円を「買う」のは日本人だけ?
日本人はまだ、「米ドル/円が111円なら、安い。買いだ」というように、ある程度円高
(ドル安)が進めば、米ドル/円を買う方向でトレードしている人が多いと思います。
つまり、日本人の基本的な投資姿勢は「逆バリ」なのです。
これは、「株」についても言えることです。今日(2/29)も、「安くなったから買った」という投資家さんが、少なくないと思います。
しかし、欧米の投資家は、どちらかと言えば「順バリ」派が多く、「円高」なら「円高」の流れに乗って、円を買い続ける傾向があるようです。
今、世界全体のムードとしては、「米ドル/円が上がったら売り(ドル売り円買い)」「下がったら、追撃して売り(ドル売り円買い)」という傾向が強くなっています。
円高が落ち着くメドは105円
現在の米ドル/円は、111.00円付近をサポートに、まだ下げ渋っていますが、日足チャートを見る限り、111.00円で止まる可能性は低いように思われます。やがて、111円を割り込む可能性がある、ということです。
では、米ドル/円の落ち着きどころは、いったいいくらで、いつか?ということになりますが、以前にも書いたように、まずは「105円」が目安になると思っています。年内に105円があるかもしれない、と。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)
105円は米ドル/円の「週足」や「月足」で見たとき、200MAの位置にあたり、「高くも安くもないレート」だからです。
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