不動産価格は、たとえ物理的に近い場所であったとしても地域間で大きな格差が生じることがあります。この差は単に地域性、そこに住む人々の気質によるものなのでしょうか?今回は、広島と岡山の物件価格の差を実例に、なぜこの2つの地域間で不動産の価格に差が生じるのかについての秘密を解説します。(『水戸市のサラリーマン大家さん』)
なぜ地域性や住人気質だけでは説明できない価格差が生じるか
同じような条件の物件なのに1~2%も違う利回り
ちょっと前から岡山に来ていて、岡山の人に対して無料面談をしています。そこでわかってきた事は、岡山は広島の隣だけれども、不動産価格が全く違うという事です。
広島の物件価格が割高で、岡山が割安です。
同じような条件の物件で、利回りで1~2%は違うと思います。これは、広島が特殊なエリアで、ほぼ誰でも融資が付く状況が続いていて、誰でも買えるということは、買う人が多過ぎて物件が少ないという現象が起こっているからです。
一方、岡山は普通の金融機関が多く、誰でも融資が付くというわけではありません。一定以上の収入があったり、一定上の金融資産を持ってないと融資が付かないわけで、だからこそ、広島よりも物件が割安です。
ただ広島も、その融資に積極的な金融機関が、今年からちょっと融資を渋りだしたという情報も出ていて、もしかすると今後は広島の物件価格が下がる可能性も出てきます。
地域の物件価格を決めるのは金融機関の融資
そして、この岡山と広島の物件価格に差ができる現象から私がいつも言っている事が証明されています。
私がいつも言っている事、それは、「物件価格は融資で決まる!」という事です。
融資が付いて、キャッシュフローが出るのなら物件を欲しいと考えている人は世の中に物凄くたくさんいます。
究極のところ、キャッシュフローがプラマイゼロでも返済は進んで行くので、物件を持ち続けられれば、最終的には不動産投資の収益はプラスになります。
それは、家賃収入から返済を済ませていて、どんどん残債が下がっていくのに対して、物件価格はゼロにはならないからです。
つまり、キャッシュフローがゼロでも最終的にはその時に売れる物件価格が残債を超える日が来るわけで、キャッシュフローがゼロでも収支はいつかはプラスになるということです。
とはいえ、今は融資を使って物件を買ってもキャッシュフローが出る物件があり、だからこそ、物件を欲しがる人は非常に多いわけですし、融資を使って物件を買い、キャッシュフローがどんどん大きくなればこれは不動産投資だけで食べていけるわけで、このようにしていきたいという人は世の中に大勢いるわけです。
しかし、ここに融資が絡んでくると、買いたい人は世の中に大勢いても物理的に融資が制限されていると物件が買えないという現象が起こります。
買いたくても買えないという現象です。
これがまさに、岡山と広島で起こっている物件の価格差に直結しているわけです。
まとめ
岡山の人が不動産投資に消極的で広島の人が不動産投資に積極的というわけではありません。買いたい人はどちらの県も同じくらいいると思いますし、たぶん、他の都道府県も買いたい人の割合は一緒くらいだと思います。
融資が付きやすいか、付きづらいかがこの価格差に繋がっているんですね。ですので、今は融資が全国的に付きやすいですし、物件が買いやすい状況にあるわけで、これが融資が付かなくなると、価格は下がりますが、物理的に買える人も激減するというわけですね。
ということで、融資と物件価格の関係は、非常に興味深いです。
そして、今、日本では各都道府県で金融機関の融資姿勢が違い、それが物件の価格差にもろに出ていますね。こういうことも、私が全国まわっているからこそ、わかってくることなので、だからこそ、今まで全国を回ってきたのはそういう意味でも良かったですね。
『水戸市のサラリーマン大家さん』(2016年3月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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総発行部数15万部。購読者日本一の不動産メルマガ。2016年3月現在7050人以上の投資家さんとお会いしてきました。年間取引額200億円以上、累計取引額500億以上の不動産会社社長が、不動産投資について真剣に書いています。今ならメルマガ内で10万円相当の「不動産投資大百科」を無料配布中。六本木アマンドの最上階の新事務所に移転。毎月、地方に行って地方の方に不動産投資を教えています。メルマガ登録で非公開の物件情報も入ってきます。不動産仲介業宅地建物取引業免許国土交通大臣(1)第8944号