■事業内容
児玉化学工業<4222>は、大型真空成形機によるプラスチックス成形品を日本で生産開始したことが出発点となる。当時は今で言うベンチャー企業であった。その後、樹脂加工の領域で技術を積み上げ、現在は「自動車部品事業」「住宅設備・冷機部品事業」を主要事業とする。2020年3月期第2四半期累計の売上高構成比は、自動車部品事業が61.6%、住宅設備・冷機部品事業が34.8%であり、両事業で全体の96.4%を占める。
1. 自動車部品事業
各種ピラー類、ラッゲージトリムやトランクトリム、ドアトリム、スポイラー、フェンダーカバー、インストルメントパネル、フロントスポイラーやスカートなどの自動車内外装品を大手自動車メーカーに供給している。国内ではトラックおよびRV車を主体とし、海外では乗用車を主体に展開している。今後は、新規開発品のガラス繊維マットプレス新工法および3次元加飾製品の部品供給を拡大していくと同時に、事業構造改革による収益性の向上を進めていく。
2. 住宅設備・冷機部品事業
主に洗面化粧鏡、キッチン、トイレ、バスなど、水周りに採用される樹脂製品を提供している。設計から生産まで一貫した完全受託生産体制を確立しており、その技術力に対する評価は高い。とりわけ洗面化粧鏡が強く、各大手住宅設備メーカーへ供給している。国内のリフォームニーズへの対応、そして、各大手住宅設備メーカーとのパイプを活用し拡販を積極的に図る意向だ。
3. エンターテイメント事業
ゲームソフトパッケージなどを展開している。このほか、将来的には医療分野等への精密射出製品の拡販を展開してく意向。
4. 新規事業
新技術として、ガラス繊維マットプレス新工法によるプラスチック製品の工業化に成功している。この新工法による製品がトヨタ自動車<7203>の「レクサス」に採用されるなど、今後の期待製品として注目される。
海外向けについては、2002年よりEcho Autoparts(タイ)で自動車部品事業を展開しており、自動車各社の戦略車種に使用される部品の受注により収益確保を図るほか、Thai Kodama(タイ) 及びThai Kodama Vietnam(ベトナム)において、冷機成形品事業と食品容器事業等の事業拡大展開を進めている。
中国の現地法人である無錫普拉那塑膠有限公司では、当初扱っていた農機関連製品から住宅設備関連製品にシフトすることで、収益向上を図っている。
同社製品はBtoBに位置付けられ、最終製品の多くを日系企業に供給する形となっている。つまり、大手メーカーとの国内でのつながりを、海外においても活用している。自動車、住宅設備・冷機部品などといった供給先の製品が海外進出エリアで拡大すれば、同社の収益も伸長するのは言うまでもない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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