米国の利上げ再開、日本の追加緩和となれば、ドル需給はさらにタイトになり、ドルの調達コストは高くなるとみられます。
日本の機関投資家はドルが買いにくく、逆に米国の投資家はマイナスのコストで円が手に入るので、円債投資が魅力的になります。
このスワップコストは、日米金利差を減殺する効果があり、円安を阻害します。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)
以上のように、通常は米国の追加利上げ、日本の追加緩和期待はドル高円安要因と考えられがちですが、これらの要素を考えると、簡単に円安にはならないことになります。
米利上げ思惑で短期的にドルが買われても、また円の買戻しが入って、円安になるとしても、小幅になるでしょう。1ドル125円の壁はかなり厚いと見ます。
『マンさんの経済あらかると』(2016年3月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。