[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;17081.14;-1478.49
TOPIX;1232.29;-95.59
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は下げ幅を一時1800円超に広げ、17000円を割り込む場面があった。1月17日に付けた取引時間中の昨年来高値24115.95円から本日の安値までの下落率は3割に達する。米国でもNYダウがブラックマンデー以来の下落率を記録した。当欄ではこれまで一貫して「底打ち」「押し目買い好機」論に警鐘を鳴らしてきたが、残念ながら懸念が徐々に現実のものとなりつつあるようだ。一昨日に指摘したとおり、新型コロナの感染拡大により実体経済が落ち込むなか、原油急落で信用不安の火種がくすぶる点には危機感を強めざるを得ない。
新型コロナを巡り各国が渡航規制や移動・営業の制限を強め、経済活動に大きな影響を与えることが避けられなくなってきた。国内でもOLC<4661>の東京ディズニーランド・シーが休園延長されたばかりでなく、訪日外国人客の多かった地方を中心に中小企業の倒産やリストラが伝わってくるようになった。金融面からの企業支援に期待したいところだが、原油安により産油国やエネルギー関連企業の信用不安が高まれば、金融機関の経営にも悪影響が出てくる可能性がある。原油安は中東の政府系ファンドによる株式売却も想起させる。
なお、サウジアラビア政府は各政府機関に対し、少なくとも20%の予算削減案を提出するよう要請したなどと報じられている。当面の原油安を見越した対応とみられ、重ねて指摘するが産油国による早期減産合意は現在のところ希望的観測に過ぎないと言わざるを得ない。
さらに、3月第1週の投資主体別売買動向を見ると、外国人投資家が現物株と株価指数先物を合わせ1兆1000億円を超える大幅売り越しとなった。このところの外資系証券のレポートには「日本の2020年経済成長見通しは1%超のマイナス成長へ」「東京オリンピックの延期・中止による日本経済へのマイナス影響は…」などといった文言が並び、日本が海外から厳しい目にさらされていることが窺える。
新型コロナや原油安を巡る悪材料が出尽くしたとも言えない状況で、日本株は当面強い売り圧力にさらされる可能性があることを念頭に置いておきたい。
(小林大純)
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