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日経平均は続落、戻り売り圧力は強いがTOPIX優位は継続

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 日経平均は続落となり、前日比124.29円安の16602.26円(出来高概算12億9080万株)で前場の取引を終えた。18日の米国株式市場では、米国政府による経済対策がなかなか成立しないなか、全米50州で新型コロナウイルスへの感染が確認されたことに加え、原油価格の急落を受けて投資家心理が一段と悪化。主要3指数は揃って大幅安になったが、シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の16530円となり、東京時間朝方にかけて欧州中央銀行(ECB)による7500億ユーロのパンデミック対応購入プログラムが発表され、これを好感して東京市場には買いが先行した。

 日経平均は朝方に一時400円を超える上げ幅となったが、戻り売り圧力の強さからその後は失速。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないなか、値がさ株中心に下げ幅を拡大する銘柄が目立ち、日経平均はマイナスに転じる展開となった。セクターでは、陸運業が5%高になったほか、パルプ・紙、保険業、ゴム製品の上昇が目立った一方で、鉱業やその他金融業、海運業などはさえない。

 売買代金上位銘柄では、トヨタ自動車<7203>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、NTTドコモ<9437>、オリエンタルランド<4661>、KDDI<9433>、三菱UFJ<8306>、武田薬<4502>、ソフトバンク<9434>、みずほ<8411>が上昇。一方で、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、富士フイルム<4901>、キーエンス<6861>、東京エレクトロン<8035>、オリックス<8591>、日本電産<6594>はさえない。

 本日の東京市場前場においては、世界的に株安が進むなかでビジョン・ファンドの評価損に対する警戒感や信用リスクの高まりからソフトバンクGが大幅安になるなか、ファーストリテなどの日経平均採用の値がさ株に対しては、225先物安に伴う裁定売りなどの需給面のマイナスインパクトが強まる状況ともなっている。一方で、足元で堅調な動きをみせる東証株価指数(TOPIX)は本日も前引け時点でプラス圏をキープしており、NT倍率の下げ基調は継続。年金基金による日本株買いや日本銀行による上場投資信託(ETF)買い入れへの思惑等もあって、NT(日経平均÷TOPIX)ショートの動きが継続しているとみられており、本日は既に前場からNT倍率は急速に下げている。

 依然として原油相場の持ち直し期待に乏しいほか、直近で目立つ金や米国債などからキャッシュ化の流れは世界的に収束しておらず、明確な株式市場の底入れは依然として見極めづらい状況に変化はないだろう。しかし、本日の前引け時点では、日経平均は100円超の下げとなっているものの、物色としては東京市場の半数が値上がりとなっている。引き続きTOPIX型優位の地合いの継続が見込まれるなか、内需株のほか、短期的には3月末配当の権利取り売買などに投資妙味出てくる可能性はありそうだ。
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