社会の成り行きには必ず理由がある
ドラッカー氏が、客観的にものごとを見る習慣を身につけたのは、やはり新聞記者時代の経験が大きかったのでしょう。
現場で、目の前にいる人の声に耳を傾けることの大切さや、社会の成り行きには必ず理由があることを、身をもって知ったに違いありません。
ドラッカー氏は、本書の最後で「社会政策というものは、経済的費用を伴わざるをえないとの認識を持つことによって、初めてその社会的な効果を経済的な犠牲との比較において評価することができる」と述べています。
今、世の中は新型コロナウイルス問題に揺れ、先進国を中心に、借金が雪だるま式に膨らんでいます。
ドラッカー氏の言葉が、まるで現代社会の行き詰まりを予想していたようにも聞こえるのは、私だけでしょうか。氏は、いつか再び人間社会を激変させる新たな変革の波がくることを、知っていたのかもしれません。
「今、何が起きているのか?」ということに、冷静に向き合ってみよう。
2. 問題解決は、現状維持に過ぎない
現在、「ドラッカー氏の著作=経営マネジメント」というイメージがありますが、もともと氏の関心は、人間そのものにありました。
氏は、2作目の著書となる『産業人の未来』で、「第二次世界大戦後にやってくる新しい産業社会を形成するのは、政府や政治家ではなく、企業経営者である」と指摘。書籍を読んだGM(ゼネラル・モーターズ)幹部からの連絡を受けて、氏は18ヶ月間、GMを内部から徹底調査する権限が与えられます。
この時の経験が、3作目の『企業とは何か』に結実。これが、氏の経営学者としての出発点となり――
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参考文献:『「経済人」の終わり』P・F・ドラッカー著、2007年、ダイヤモンド社, 『知の巨人ドラッカー自伝』2009年、日経ビジネス人文庫
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『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2020年5月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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