8日の日経平均は6営業日続伸。314.37円高の23178.10円(出来高概算17億株)で取引を終えている。5日の米国市場は、雇用統計で予想以上に速い雇用の回復が示されたためV字型回復期待が高まり、投資家心理の改善で買いが先行したことでNYダウは800ドルを超える上昇となった。
この流れを引き継ぐ格好から23000円を回復して始まった日経平均だが、買い一巡後はこう着感が強まり、高値圏での狭いレンジ取引が続いた。ただ、前場半ばに23028.62円まで上げ幅を縮め、大引け間際にも23100円を下回る局面がみられたが、23000円処での底堅さが意識されている。大引けにかけては再び強含みとなり、本日の高値で取引を終えている。
東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、鉱業、鉄鋼、銀行の上昇率が4%を超えているほか、保険、その他金融、石油石炭、空運、不動産が堅調。半面、精密機器、その他製品、医薬品の3セクターが小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、アドバンテスト<6857>が堅調。一方で、中外薬<4519>、テルモ<4543>が冴えない。
日経平均は2月21日以来の23000円を回復し、新型コロナ感染拡大を嫌気した下落部分をほぼ解消してきている。いったんは利益確定に向かいやすい水準でもあり、短期的な過熱感が警戒される中、日中値幅は150円程にとどまっている。しかし、23000円接近では底堅さが意識されており、押し目買い意欲の強さも意識されやすい。
週明けの米国市場は先週末の大幅上昇に対する利益確定の流れが意識されやすいだろうが、それをある程度は織り込んでの23000円処での底堅さであり、短期筋の売り仕掛け的な動きは出難いだろう。また、週末のメジャーSQを控えてロールオーバー中心の売買になっており、先物主導での仕掛け的な動きも期待しづらい。
また、物色については指数インパクトの大きい値がさ株の影響が大きいものの、新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けていたセクターのリバランスが強まっている。過熱感を警戒するものの、物色については冷静であり、良好な需給状況の中でのリバウンド基調が続きそうである。
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