日本たばこ産業(JT)は、2020年10月1日からのたばこ税増税に伴う、たばこの小売定価改定の認可申請を行ったと発表した。
対象となるのは、紙巻たばこ136銘柄、加熱式たばこ48銘柄など合計224銘柄。申請が認められれば、主な銘柄だとセブンスターが現行510円から560円に改定されるほか、メビウスが現行490円から540円と、ついに500円台に突入する。
また、格安のたばこ銘柄として知られ、現在は葉巻たばこ扱いとなっている「わかば・シガー」も、今回の値上げで410円に。総じて1箱あたり約50円程度の値上げとなっている。
ルサンチマンを募らせるスモーカーたち
2018年10月1日のたばこ税増税、昨年10月1日の消費税増税による定価改定に続いて、これで3年連続の値上げとなるたばこ。
喫煙めぐる環境の変化としては、今年4月1日に国が「健康増進法の一部を改正する法律」を施行。それに合わせて各都道府県でも、受動喫煙を防止する旨の条例が制定され、もっとも厳しいとされる東京都では、一部の例外を除くほとんどの飲食店で紙巻たばこが吸えなくなった。
さらに昨今の新型コロナ感染拡大を受けて、密な状況に陥りやすい屋内外の喫煙所は、公共のものも含めて多くが閉鎖され、なかにはそのまま撤去されたというケースもあるという。
三鷹駅南口を視察してきました。ペデ上の開放型喫煙所はこのまま撤去され、駅から離れた場所に密閉型が新設されるようです。(私の足で改札から384歩でした。)
周辺で路上喫煙者には遭遇しませんでしたので、新設の必要性は謎です。。 pic.twitter.com/j38wWrAC6I— ニコチンなくそう!日本 (@nico_naku) July 10, 2020
喫煙の是非に関して、ネット上では嫌煙家とスモーカーが古くから絶えず論争を繰り広げているが、最近では嫌煙家サイドが上記のような追い風を受け、意気揚がる状況だ。今回のたばこ値上げに関しても総じて快哉を叫び、更なる値上げを求める意見も挙がっていた。
その反面でスモーカーは、ガッカリを通り越して諦めに近い心境を吐露する方もちらほら。また、近年殊に声高になっている嫌煙家に対してルサンチマンを募らせている人も多く見られた。
株価は大幅反発
成年人口の減少や高齢化、また喫煙規制の影響により、たばこの販売数量は減少が続いており、品質・ブランド価値の維持のために今回の値上げに踏み切ったとするJT。先週末の値上げ発表から週が明けた8月3日の株価は大幅反発と、市場では値上げが好材料と捉えられている模様だ。

日本たばこ産業<2914> 日足(SBI証券提供)
とはいえ、今後も喫煙人口が減り続けることは必至。このジリ貧状態をJTがどう乗り越えるのかに、注目が集まるところである。
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