上がりすぎた景気敏感株は相場をどう動かすか
最近の相場の特徴として、景気悪化局面ではどう考えても業績が下がる銘柄も、相場全体に引きずられて上がっている点があります。景気連動性の高い日経平均株価が「コロナ前」を回復したことなどはその最たる例です。
これからの業績発表では、これらの銘柄から現実に引き戻されることになります。上半期が終了し、「未定」となっていた通期予想が発表され、利益の低下により日経平均PERはグンと上昇するでしょう。それらの銘柄の株価は下がる可能性が高まります。

出典:投資の森
気になるのは、それがハイテク株へも波及するかどうかということです。多くの場合、どんな銘柄も相場全体が下がればそれに逆らうことはできませんが、今回はどうでしょうか。ハイテク株の「現実」が予想を超えてくるのか、それほどでもないのかも焦点となります。
コロナ経済の特徴は、晴天からいきなり土砂降りになったことです。通常の景気後退では、徐々にしとしと降りはじめ、次第に土砂降りになりますから、経済指標でも確認しやすいのですが、今回はそうもいきません。
雨はまだ止んでいません。その水量が計測できるのはまだまだこれからということになります。
100年前の世界恐慌が発生したのは1929年と言われますが、景気の底は3年後の1932年でした。今は小康状態でも、再び大雨が降り出す可能性も考慮しなければなりません。
景況感を最も敏感に感じ取れるのは、GDP速報ではなく街角の風景です。みなさんも景気がどんな状況にあるか、街に出てご自身の目で確かめてみることをおすすめいたします。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2020年9月20日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。