想定レートは1ドル=105.20〜106.00円
非農業部門雇用者数が予想を大きく上回る数字であれば、円売りに加えて、ややドルの買い戻しもあるでしょうが、最近はドル買いが出るのはもっぱらリスクオフ時で、どちらかというと株価が下がった時に発生するドル需要で買われているような状況です。
よほど米経済の堅調さを意識させるような全体的にピカピカな数字になるならともかくとして、普通に考えれば、どこかしらにはケチがつくもので、なかなか為替の方向性を決めるようなイベントにはならないでしょう。先ほども書いたように今の労働市場はコロナで歪んでおり、包括的にデータを見ることが求められています。
そして、FRBが長期的なゼロ金利政策、緩和姿勢を明確に打ち出していることによって、大きな流れとしてはドル安というのがありますから、仮に上がれば一旦は売りという判断の方が良さそうです。

ドル円(日足)チャート
コロナ支援法案の成立という別なテーマがある中で、9月終盤から続いている105.50円前後の引力から逃れられる感じはないんですよね。
非農業部門雇用者数が100万人を大幅に上回るようなサプライズがあれば別かもしれませんが、まずまずな数字、予想を上回ったところで106円台に乗せれば御の字で、コロナ支援法案が不成立なら、米経済の回復期待というのは打ち砕かれることでしょう。
したがって、トレードとしては戻り売りで、雇用統計が予想並か良好な数字でドル円が反発するなら、105.80~106.00円レベルでは一旦売って、20~30銭程度の値幅を狙ってみるのが良さそうです。損切りは浅めに106.20円あたりに置いておきましょう。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年10月2日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による