今年の「弱さ」は日本の経済政策の失敗を意味しない
今年の特別な弱さは、人民元安によってあらわれているものであって、日本の経済政策の失敗ではない。
SDR構成通貨入りを目指す10月頃までで人民元安に一定のめどができ、今年の日経平均株価は、放っておいても(消費税さえやめてくれれば)重りがとれて、10月頃から上昇を開始する。
アベノミクスの第一の矢による妥当な値位置は、すでにわかっている。日経平均が18000~20000円程度で、円・ドルが120~125円程度である。
消費税と人民元安という2つの重りがなくなれば、来年前半にはほっておいてもこの値位置へ戻る場面である。6月には、消費税の引き上げという重りを先にはずしてもらうだけでなく、その前に財政政策を発表するのである。
5月までに底値をつける可能性が高い
特別に弱い年の安値が翌年までの底値になるという見方が正しいなら、その底値は、5月までにつける可能性が高い。残された期間は、4月と5月のどちらかである。
前掲図では、10月頃まで、価格がいったん下げる展開を想定しているが、それは、8~10月の期間で人民元のSDR構成通貨入りのスケジュールが見えてくる過程で、人民元の急落場面があらわれる可能性があると見ているからである。
今回のシナリオは、8月頃までの展開が中心であり、8~10月に不安要因を残している。
今年は、4月、5月の安値が底値になると見ているが、10月頃にその安値を下回る動きになる可能性がまったくないとは言えない。あるかどうかは、5月以降の上げ幅を確認しなければわからない。
ただ、10月に一段安となったとしても、年間の変動幅を考慮すれば、一時的にそれまでの安値を下回るだけになると考えられる。価格が下がってくれるなら、今年は、4月(または5月)、10月という2回の絶好の買い場を提供してくれると考えればいいだけである。