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トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

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2018年11月20日に開催された、トピー工業株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

2018年度 第2四半期決算概要

高松信彦氏:それでは2018年度第2四半期の決算説明をさせていただきます。

まず2018年度の第2四半期決算についてですが、昨年度に比べまして売上高は1,352億円ということで増収です。約280億円の増収となりましたが、営業利益は残念ながら3億円ほど減益になりました。

それに伴いまして、経常利益も6億円の減益。親会社株主に帰属する四半期純利益は6億円ほど減りましたが、配当は据え置く予定でおります。

2018年度上期の経営環境(2017年度上期対比)

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詳細ですが、まず経営環境・外部環境について、昨年度の上期からの変化ですが、アメリカにつきましては、穏やかな景気拡大でさらに進展をしていまして、全体的には景気がよかったです。いろいろ懸念事項があったわけですが、よかったということです。

中国・東南アジアにつきましては、ほぼ昨年度の傾向がそのまま継続ということですし、日本経済もほぼ昨年どおりというところです。

当社グループのところだけを取り出してみますと、鋼材の需要は引き続き底堅く推移をいたしております。

メタルスプレッド……スクラップの価格と製品価格の差は、昨年度に比べれば若干の改善傾向が見られましたが、副資材関係の値上がりが非常に大きく、残念ながら収益的には苦しくなりました。

自動車 ・ 産業機械部品事業につきましては、自動車用のホイールは、米国で乗用車の販売が非常に落ち込んでおりますので、これが若干悪い影響かと(思います)。それから、建設機械の需要がさらに増加していますので、履帯・履板につきましては好調が継続しております。鉱山機械需要も同様で、こちらに出しておりますホイールにつきましては、好調が続いております。

発電の事業につきましては、電力価格は上がったわけですが、燃料の価格も上がっていまして、このあたりの差し繰りということになっています。

営業利益増減要因 (対2017年度上期実績)

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

営業利益は若干下がったのですが、この差違をブリッジで表してみました。販売数量はかなり増えました。それからスクラップの価格は上がっているのですが、直接鉄鋼関係のコストにあたる副資材の価格等が、非常に値上がりしています。

鉄鋼の値上げ分よりも大きく上がっていまして、結果的には少しバツ(減益)ということになりました。

2018年度 上期セグメント別業績

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

セグメント別に見てみます。自動車・産業機械部品につきましては、約4億円の増益になりましたが、鉄鋼需要が、先ほどお伝えした副資材の値上がりも非常に激しく、減益になりましたので、トータルではほぼチャラです。

その他のでこぼこで、3億円ほどの減益ということです。発電については、後で細かく出てきます。

鉄鋼事業 営業利益増減要因(対2017年度上期実績)

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

事業別に見てみますと、販売価格につきましては、鉄鋼はメタルスプレッドが改善して、販売価格が上昇したものの、副資材あるいは電力費の上昇分を価格に反映することができなかったということで、コスト改善はありましたが、若干の減益、4億円ほどの減益です。

自動車・産業機械部品事業 営業利益増減要因(対2017年度上期実績)

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自動車・産業機械部品事業につきましては、数量も増え、価格も若干上がりました。材料費の値上がり分を吸収して、少し増益で、全体では4億円の増益となりました。

発電事業 営業利益増減要因(対2017年度上期実績)

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

発電の事業は先ほど申しましたように、販売価格、電力価格自体は上がったのですが、燃料費が値上がりになりました。この2つだけならば、若干の増益だったのですが、今年(2018年)は少し大きめの修繕が入ったということがございまして、昨年度と比べて1億円ほど減益になりました。ほぼ横ばいの成績です。

第2四半期決算 当初予想(5月10日公表)対比

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

いま、上期について、前年度との比較を申し上げましたが、5月に発表させていただいた当初の予想と比べてどうだったか。これは、当初の予想比で増収増益となりました。

売上高は1,352億円ということで、プラス22億円の増収。営業利益もプラス33億円で、(営業利益は)3億円の増益になりました。したがいまして、経常利益も予想に比べればプラス5億円の増益です。また、親会社株主に帰属する四半期の純利益も4億円ほどの増益となりました。

2018年度上期の経営環境(対当初予想(5月10日公表))

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

景気の動向ですが、予想と比べると、世界経済・日本経済ともに春先に予想したとおりの展開だったかなと思います。当社グループに関係するところで見ると、スクラップ価格が思いのほか安定しましたので、メタルスプレッドがやや改善いたしました。

残念ながら副資材価格、電力価格の上昇は思ったとおり上がったということで、これが苦しみの要因になりました。それから、海外の建設機械需要は予想よりも少しよかったということで、ここ(のスライド)では丸印をつけさせていただきました。

営業利益増減要因(対2018年度当初予想)

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

利益率増減のブリッジを書いてみましたが、全体に若干のでこぼこはあるものの、予想どおりというのが全体観でございます。

鉄鋼関係の販売価格がやや上げ切らなかったかなというところですが、ほぼ計画どおりで、全体としてはプラス3億円の増益ということでございます。

2018年度 通期業績予想

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上期の話をしてまいりましたが、通期の予想がいったいどうなるかについてです。ほぼ、5月10日に発表しましたとおりであると考えていますが、まだ豊橋製造所の事故の影響は織り込んでおりません。これはいま、精査中でございます。

売上高は全体で2,830億円ということで、昨年度に比べますと500億円ぐらいの増益。こちらは価格が上がったこともありますが、事業拡大したリンテックス、旭テックの効果もかなり大きいと思います。

そちらも含めまして、営業利益は全体で100億円ほどを見込んでおりまして、昨年度よりプラス20億円ぐらいの増益を予想いたしております。経常利益もほぼ同様です。親会社株主に帰属する当期純利益もプラス13億円ということで、昨年度よりは一歩進んだ実績になることを期待しています。

中期経営計画の進捗状況

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

この予想を中期経営計画と比べてみます。今年度に最終年度を迎えます中期経営計画の売上高は2,500億円という目標になっておりましたが、2,830億円ぐらいということで、3,000億円ぐらいという次のターゲットが少し見える位置まで拡大してまいりました。営業利益につきましては、先ほど申し上げております副資材・電力・合金の値上がり分が50億円ほどございまして、これが完全に解消しきれず、営業利益はやや届かない状況です。

そのぶん、親会社に帰属する利益も届かないというところですが、今年度、この中期経営計画をとおしてROE5パーセント以上を達成しようとしていましたが、6パーセントを超えるレベルになりそうだというところでございます。

重点テーマとしましては、事業の持続的な成長、社会からの信頼と共感、企業基盤の強化ということを謳っておりましたが、長期的視点での施策は着実に実行してまいりました。

さらに自動車用ホイールにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、2社を完全子会社化いたしまして、かなり事業拡大し、売上高目標は達成の見込みでございます。

(課題として)残ったのは、この主原料以外の副資材の価格の吸収、コスト上昇の吸収というところ。残念ながら、課題として残りました。

今年度の取り組みを取り上げました。後でトピックスをご紹介しますが、異形棒鋼の新製品コンパクトコイル……我々はTopy Advanced compact Coilということで「TACoil」と呼んでいますが、これを予定どおり10月に発売開始いたしました。

それから、リンテックス、旭テックとのシナジー効果をどう出すかというところも、現在検討中でありました。来年度に向けて、そこを頑張っていくところでございます。

数値目標推移

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数値的な目標の推移です。先ほど申しましたように、売上高の営業利益率は、利益がやや追いつかなかったというとこで、昨年度並みの3.5パーセントぐらいです。目標にはかなり及びませんでしたが、ROEを見ますと、目標には及ばないものの、3年間をとおして目標の5パーセントを超えることができるのではないかと考えています。

ただ、事業拡大に伴いまして若干借入金が増えましたので、D/Eレシオはやや悪化ということで、来年度からここを下げていくのが新たな目標になります。

日本初のコンパクトコイル「TACoil ®」(ティーエーコイル)を販売開始

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

続きまして、今年(2018年)のトピックスを少しご紹介します。先ほども言いましたが、Topy Advanced compact Coil、こちらはTACoilと呼んでいますが、10月19日にお客様をお招きして、初出荷式を行い、予定どおり発売を開始いたしました。

このコイルはJIS品として、日本で初めての棒鋼のコンパクトコイルです。加工効率の向上ということで、NC加工機と組み合わせると伸線・切断・曲げ作業を自動化できるというメリットを持っています。

もちろんコイルから使いますので、直棒と比べて加工した時のロスがないというメリット(もあります)。それから、こういうコンパクトな……これは1トンのコイルなのですが、コンパクトなものですから、置き場をとらないということで、置き場効率・保管スペースもかなり効率化できるという新製品で、今後の拡販を期待しております。

ベラーズ社への鉱山機械用ホイールのOEM供給を開始

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

それから、ベラーズ社というベラルーシの大型ダンプトラック・ホイルローダーなどを作っている会社……ダンプトラックのシェアでは世界の3番目ぐらい、ロシア・CIS地区では1位のシェアを持っている会社ですが、ここへのOEM供給を開始いたしました。重要なパートナーということですが、ちょうどベラーズ社が70周年を迎えるということで、これ(スライドの写真)はその時の式典に呼ばれた際の写真でございます。

SGOR(Super Giant Off the Road Rim)のホイールを提供いたしております。今後、新たなユーザーさんとして、拡販の期待が大きい会社でございます。

トピー履帯インドネシア 履帯組立ライン新設

トピー工業、2Qの売上は26.1%増も全利益項目で減益 副資材価格上昇が要因

それから、東南アジアでも順調に建築機械が増えていまして、インドネシアの履帯の組立ラインを新設いたしました。

インドネシアをはじめとする東南アジア地域の建設機械の需要増加に対応するということで、生産能力の拡大、あるいは生産品種の拡大、あるいは納入リードタイムを短縮する狙いで、10月から試運転を開始しています。今月(2018年11月)から本格操業を開始いたしましたので、ここでご紹介させていただきます。

以上、トピックス含めて報告させていただきました。どうもご清聴ありがとうございました。

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