■今後の見通し
オプティム<3694>の2020年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比20.0%増の6,563百万円と大幅増収を予想する。各利益に関しては、2019年3月期同様に予想に幅を設け、営業利益で1~1,313百万円、経常利益で1~1,313百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で0~814百万円を予想する。これらの数値は期初の予想値を据え置いている。
売上高に関しては、創業来20期連続の過去最高売上高を目指す。売上高が前期比20.0%増の予想であり、直近の実績(2019年3月期29.9%増、2018年3月期27.0%増)と比較して緩やかな伸びの計画ではあるが、通期予想に対する第2四半期累計売上高の進捗率は44.7%であり、2019年3月期第2四半期累計の42.9%を超えて順調である。同社のビジネスモデルが積み上げ型(サブスクリプション型)のライセンス課金が多いため、上期よりも下期が上回る傾向にあるが、パッケージサービス「OPTiM AI Camera」をはじめとした、新規事業やサービスの導入が進み、その業績分が積み上がることが予想される。
2020年3月期は、同社の戦略上では「投資を継続しつつ拡販に向けた体制を確立する」年であり、利益は投資次第となる。第4次産業革命の中心的企業になるべく、AI・IoT・Robotics分野に柔軟かつ積極的な投資を行うという基本方針のなか、先行者として技術的なリードを保ち、いち早く事業化を達成するために、思い切った先行投資している最中である。その成果として、AI・IoT分野でのシェアNo.1を複数分野で達成し、過去の投資の有効性を証明した形だ。通期の経常利益がマイナスにならない範囲内で、思い切った開発投資を行ったケースが予想の下限(経常利益1百万円)。一方で上限(営業利益1,313百万円)は、同社の巡航速度における収益であり、売上比で20%程度の利益を見積もる。弊社では、2020年3月期も研究開発及び拡販体制確立への投資を行うため、利益水準は下限に近いものと予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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