米国債市場の急変に要警戒
今は「短期金利は変わらず。長期金利は財政拡張により少し上がるかも」が市場の主軸です。このうち「短期金利は変わらず」が崩れると、米国債市場はかなりの荒れ方をします。
カタカナを使っちゃいますが、「短期・中期国債買い、長期国債売り」という「スティープニング・トレード」ポジションが傷みます。2年債や5年債の売りが目立つ展開なのですが、特に5年債売りが目立ち始めると、米国債市場全体の雰囲気が一気に悪化します。
まぁ、まだ先のこと。インフレ率が本当に上がって来て初めて起こることなので、為替など他市場での心配も取り越し苦労で目先は終わります。
財政拡張・大規模金融緩和による株のチキンレースは続く
昨日1月14日、日本株は午後の取引で乱高下を演じました。金融緩和・財政拡張が株価を押し上げているものの、勢い任せの荒っぽい動きも出て来た、その典型的な例です。
何度も申し訳ないのですけど、インフレ率上昇が顕著となるまで、転じて財政拡張を続ける各国政府や、大規模金融緩和を続ける各中銀が「出口戦略」という名の幕引き、焦りを演じるまで、昨日の日本株のような商品市況的な動きは断続的に発生する見込みです。
同時にチキンレース的な上値追いも。経済成長とか利益水準とかいった、経済の基礎的な条件(ファンダメンタルズ)とはまったく関係ありません。
それだけに、行き過ぎを看過すると、単に置いて行かれる事態にも陥ります。厄介な局面です。
今回のまとめ
・バイデン次期大統領、1.9兆ドルの景気対策案を公表
・財源は米国債、「緊急だし、低インフレだし」
・インフレ率が上がるまで、財政拡張・大規模金融緩和による株のチキンレースも続く
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- バイデン新政権も低インフレが頼り(1/15)
- 「最後に夢を見てる奴らに贈るぜ」とは言ったけど(1/14)
- self-coupの動きはなさそう(1/13)
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『高梨彰『しん・古今東西』』(2021年1月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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