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15日からの一週間も為替相場で波乱の予感?

やがて「円安」トレンドが復活する

さて、ここからは僕の見方です。僕は、黒田「逆バズーカ」にもかかわらず、近く「円安」トレンドが復活するだろうと予想しています。

なぜなら、黒田氏が何を言おうと、経済のファンダメンタルズは変わっていないからです。

現在の「円安ドル高」の流れの原動力は、アメリカが利上げに向かい、日本が金融緩和を続けるという、逆方向の経済政策によって生じる、日米の「金利差」です。

金利が高い国の通貨は買われます。金利が安い国の通貨は売られます。だからドルが買われやすくなっているわけです。

日欧が金融緩和を続けざるを得ない状況の中、このあとアメリカFRBが、FOMCのたびに0.25%ずつ、10回以上、金利を上げ続ける可能性が高い。それが今の経済情勢です。となれば、ドルが買われる傾向は、この先も続くでしょう。

次の「125円超え」で起こりそうなこと

来週はアメリカでFOMCが開催されます。6月のFOMCでの利上げは「ない」とされていますが、利上げをしないとしても、利上げの具体的なスケジュールが開示される可能性があり、そうなれば、また「ドル買い」の流れが強くなるでしょう。

もしもこの先、米ドル/円がふたたび、125円に接近したり、一時的に125円を超えたとき、為替のトレーダー達は、黒田氏がまた何か言うのではないかと、彼の言動に注目するでしょう。

しかし、10日の「失言」で為替相場が大きく動いたことで、黒田氏は「ビビって」いるに違いなく、次は「沈黙」を守る可能性が高いと考えます。

では、実際に彼が次の125円で何も言わなかったと仮定しましょう。そうなると、「失言」後の「沈黙」であるがゆえに、その沈黙が強い「円安容認」のメッセージになってしまいかねません。

「今度は何も言いません。125円より上の円安を許可します。どうぞドルを買ってください」 というメッセージになってしまう可能性が高いわけです。

黒田氏は、今ごろ、「この先どうしよう」と頭を抱えているに違いありません。でも、その結論は「沈黙」でしょう。恐くて何も言えないはずです。

来週も相場の「波乱」がありそう

為替相場は、金利動向だけで動くわけではありません。世界の様々な事象を織り込んで動きます。したがって、アメリカが金利を上げても、「ずっとドルが買わ続ける」と言い切ることはできません。たった1つの出来事が、為替相場の流れを大きく変えるケースも、よくあります。

しかし、日米の経済政策を比較しつつ、普通に考えれば、「125円以上の円安はありそうにない」という黒田氏の発言より、「円安の流れは止まりそうにない」という見通しの方が有力でしょう。

来週(6月15日~19日)は、アメリカFOMC、黒田総裁の会見など、為替相場をひっくり返しかねないイベントが目白押しです。おそらく来週も、為替相場で、何らかの「波乱」があるでしょう。

さて、いったい何が起きるか。マーケットから目が離せません。

長谷川雅一のハッピーライフマガジン』(2015年6月12日号)より一部抜粋

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