日本株は大天井を形成?急反騰は“老年期相場”開始の号砲となる
アベノミクス相場が始まってから、ザラ場安値に対して大引けまでに長大ヒゲ為して大きく上昇した場面の上昇率ランキングを見ると、7月9日を超える幅は3回しかなかった。
安値圏内のW底形成を探る動きの一環と見える。
既報で、当面は「2万円±900円」「ボックス相場に嵌った」と述べてきたが、週末のヨリツキは322円幅という大きな窓を開けて始まり、当日は295円幅の窓を作った。 NY安の写真相場だが、長期的に見ればNYは先日のデッドクロスで完全に大天井を打った。
21日のNYは8月12日の安値17,125を深く割り込んだ。日本株の週末は7月9日の長大な下ヒゲを引いた瞬間安値19,115円を睨み、短期的には過剰反応となるだろうから超目先の戻りは窓埋めの20,033円となろう。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)
“This is Japan銘柄”のトヨタ株も完全にダブルトップを形成したと見える。ということは安倍内閣支持率の天井形成と“合わせ技一本”で日本株も大天井を形成したという見方ができるだろう。この見方が支配的になった時に大規模な反騰がでたら、それが老年期相場開始の号砲となろう。

トヨタ<7203> 日足(SBI証券提供)
いまの日本企業の1株当たり純益EPSは1300円だから、世界先進国並みに16倍に買われて20800円というところだ。その辺を忘れずにボックスだと思えば、ハズミで18,500円もあり得るし22,000円もあり得よう。だがいずれにしてもすでに2.4倍になった大相場を示現したのだから、2万円から上の5%や10%を取りに行くのは個々人の流儀の問題である。
メガバンクが安い。これは来週に稿を改めて述べるが、郵貯上場の1.5兆円のために今から売って資金を用意する気かもしれぬ。ゲスの勘繰りかもしれないが――。
『山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2015年8月23日号)より一部抜粋・再構成
※チャート画像はMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
山崎和邦 週報『投機の流儀』
[月額1,500円(税込) 毎週日曜日(年末年始を除く)]
大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。