短観から大きくズレる可能性。気になる中小企業の現状は?
ちなみに日銀短観の対象企業は、全国の資本金2千万円以上の民間企業の中から約1万社を選出となっています。
<各規模の資本金>
大企業:10億円以上
中堅企業:1億円以上10億円未満
中小企業:2千万円以上1億円未満
要するに短観の結果には大きなズレが出る可能性があるということ、より重要なのは中小企業であるとうことです。
1千万円未満の企業統計は11月くらいにしか出ませんので、再度、あらためて短観の中小企業にだけ着目してみます。
<中小企業の業況判断 最近>
製造業:0(+-0)
非製造業:3(-1)
※カッコ内は、前回比
なんとか非製造業が踏ん張っているものの、現状はとても微妙です。
<中小企業の設備投資 15年度計画>
製造業:-2.0%(+8.8%)
非製造業:-7.9%(+12.8%)
上方修正でかなりマイナス幅を縮めており改善が見られるものの、良いという状況ではありません。全般的に昨年に比べればまだマシと言えるかもしれませんが、この状況で1千万円未満の中小企業が良いとはまったく思えません。
先行する大企業の設備投資が伸びても、中小企業にまわってこないという経済構造の複雑化がもどかしいところです。
7-9月期のGDPはマイナスになる可能性は否定できないですし、プラスでも低い値が想像されます。それから先行きをみる限り、10-12月期もGDPマイナスの懸念が継続するわけで、非常に厳しいと思います。
先月の記事でもGDPについて話しましたが、正直、アベノミクスの現実にガッカリしています。個人的に日本株への投資マインドはかなり落ちてきています。アベノミクスを暖かく見守っていた私がそう思うのですから、相当なのかもしれません。
それだけに現在、日本株が下げているのも納得できてしまうものがあります。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)
別に誰が悪いというわけでもなく、景気を良くするのは簡単ではないということを思い知らされた気がします。
ちょっと愚痴っぽくなりましが、強すぎる思いというのは投資では余計なものになったりもするので、それはそれとして、相場はしっかりと見極めたいと思います。
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『毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』(2015年10月4日号)より一部抜粋、再構成
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による
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