日本とカンボジア、「親孝行」意識の違いはコレが原因かも?
カンボジアの産業は発展途上なので、仕事面ではカンボジア人に何かを教える機会が多くなります。ただそれと同じくらいカンボジア人から教えられることは公私ともに多いんです。今日ご紹介している「親孝行」に関しても、まさにそうですよね。
以下は独立行政法人 国立青少年教育振興機構が今年8月に発表した「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」より抜粋し作成したグラフです。

出典:独立行政法人 国立青少年教育振興機構の資料より作成
計17校・1850人の男女が回答したデータによると、親が高齢になり世話が必要になったとき「どんなことをしてでも自分で世話をしたい」と答えたのはたった37.9%で、調査した4ヵ国の中で唯一過半数を下回る結果となりました。
ちなみに同質問に対して中国(87.7%)の数値が最も高く、ついで韓国(57.2%)、アメリカ(51.9%)となっています。
残念ながら同調査ではカンボジアのデータはありませんが、僕の体感として仮にカンボジアで同じ調査をすれば、きっと中国と同水準の結果が得られるのではと思います。
世界からも「優しい」と評価を受けることが多い日本人ですが、このデータを見るとそうでもないのでしょうか?
この疑問に対し、カンボジアで生活する僕の意見はちょっと違います。
まず、なんだかんだ言っても日本は豊かです。制度に色々ガタが来ているとはいえ、高齢者は年金だってもらえるし医療だって安く受けられる。こんな恵まれた国は世界でも稀です。
それに比べてカンボジアでは、いまだに家族が支え合わないと生きていけない家庭が多いのが現状です。働けない両親のために、男性なら肉体労働、女性なら身体を売って親に仕送りする人だって珍しくはありません。
そうしないと家族が路頭に迷うことになるので、親孝行の意識が変わるのは必然です。
加えて、親への感謝を感じる機会も日本より多いような気がします。
特にカンボジアの内戦後、混乱した時期に幼少期を過した子供たちにとって、親が傍にいてくれるだけでありがたみを感じたことでしょう。今回話を聞いたチビットさんも幼少期はタイの国境付近の難民キャンプで過し、過酷な環境の中で女手ひとつで育ててくれたお母さんへの感謝は決して忘れられないといいます。
もちろん日本のお父さんお母さんだって頑張ってはいるのですが、経済的に貧しい国ではそれを直に見て肌で感じる機会が増えますし、その影響が先の数字にも現れているのではないでしょうか。
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