フランチャイズショーで見えるもの
たとえば、代表的なFCチェーンであるコンビニ業界を例に考えてみましょう。
彼らはすでに十分、知名度があり、テレビコマーシャルも打っているのに、なぜわざわざ高いお金を払って、毎年フランチャイズショーに出展しているのでしょうか?
現実に、ほぼ飽和状態にあるコンビニが、今もなおオーナーを募集している理由は、出店し続けないと店舗数が減ってしまうからです。
要は、出店していると同時に撤退しているお店も多い、ということです。
万一、店舗数が減少に転じてしまえば、他のオーナーたちも不安になって、離脱者が増える可能性があります。ですから、フランチャイズショーに出ることによって、「この業態はまだまだ伸びる」と世間に印象づけようとしている、と見ることもできます。
最近、コンビニ業界では「24時間営業を取りやめるかどうか?」や「お弁当の値引き販売をどうするか?」といった問題が浮上しています。
どうして、本部が値引き販売や時短営業などを許さないのかというと、自分たちの利益が吹き飛んでしまうからです(なんせ、店舗数が万単位ですから)。
それよりは、加盟店を上手くなだめながら、どんどん新規を募集したほうが、結局、本部はロイヤルティ(加盟店料)を徴収できて儲かるわけです。
こうしたことも、毎年フランチャイズショーを見に行くことで、その背景までが透けて見えてくるようになります。
先ほど挙げた、「最低限抑えておくべき3つのポイント」のうち、1の“競合が多いかどうか”と、2の“ビジネスの伸び代”に関しては、FCショーを毎年見に行くことで、だいたい把握できるのではないかと思います。
毎年、見に行っていれば、いつも出展している常連企業がわかると同時に、初出店のところもわかります。初出店ということは、ほぼ導入期か成長期のビジネスであり、出始めのビジネスは、競合も少ない可能性があります。
2. FCビジネスで成功するには
FCの加盟店は、本部とはいわば運命共同体のようなものです。ということは、本部に万一のことがあった場合、共倒れになる可能性があります。
FCのオーナーにはこのようなリスクがあるために、ある程度の規模になると、複数の業態を持つのが一般的です——
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近くて遠い香港。次回は現地在住の専門家をゲストに迎え、金融をテーマに掘り下げてみたいと思います。次回の特集も、どうぞお楽しみに!
今後の特集スケジュール(予定)
2019年8月
第3回:(Vol.142)香港金融最新事情特集(1)(8月21日配信)
2019年9月
第1回:(Vol.143)香港金融最新事情特集(2)(9月1日配信)
第2回:(Vol.144)賢人の名言から学ぶ(8)(9月11日配信)
第3回:(Vol.145)AIが金融市場を席巻する?!(9月21日配信)
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- 【Vol.141】「正しくビジネスの将来性を見分ける方法」〜フランチャイズは選択肢に入るか?〜(8/11)
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『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2019年8月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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