GMのストライキが雇用者数を大きく押し下げるか?
自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)のストライキの影響により、今日発表される10月雇用統計の非農業部門雇用者数が、少なくとも4.6万人分押し下げられる可能性があると米労働省が発表しています。
ストライキ期間中の従業員は無休となり、統計上は失業者として扱われるとのことですから、今日の雇用統計は割り引いて考える必要があります。
注目の非農業部門雇用者数の事前予想値は+8.5万人と弱い数字を想定しているように見えますが、当然ですが、これは4.6万人の下押しをあらかじめ差し引いた数字です。
8.5万人に4.6万人を足せば+13.1万人と実はそこそこの数字を想定しており、ハードルはそれなりに高い点に注意でしょう。
今月は雇用統計後に発表されるISMにも警戒したい
今月はISMが雇用統計後の発表となりますので、その点も注意しておきましょう。雇用統計は21:30でISM製造業指数は23:00発表です。雇用統計がまずまずの数字でもISMが予想を下回って反落、あるいは逆のパターンもあり得ますからね。

図1:先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
先行指標に関しては、ISMが未発表のため、手がかりを見出すことはなかなか難しそうです。とはいえ、ADP雇用報告が若干弱く、新規失業保険申請件数も僅かに増えて悪化していますから、極端に弱い数字を想定する必要はありませんが、強気になれる傾向はないとの見方で良さそうです。
失業率は若干の上昇想定ですが、既に歴史的な低水準なので、あまり気にする必要はないでしょう。
非農業部門雇用者数は先ほども書いたようにGM従業員のストライキの影響が多いため、+5.0万人を割り込んでくるという数字にならない限りは、そこまでネガティブサプライズでもありません。
平均時給については、やや強めの数字が織り込まれていますが、インフレを期待する向きはあまりないので、多少弱い程度なら、あまり問題視はされなそうです。