過去2年間の相場を左右してきた市場リスク
下図は当サイトが市場リスクの大きさを表す指標として開発した「リスク回避指数」(*)と日経平均の推移を示すグラフです。

日経平均と「リスク回避指数」の推移(日次)─2018.1.4~2019.12.20─
紺色の線が日経平均(左目盛)、赤線が「リスク回避指数」(右目盛、以下、リスク指数)を示します。
図から日経平均とリスク指数はきれいな逆相関を描いており、リスクが高まれば相場が下がり、リスクが低まれば相場は上がるという関係が忠実に成り立っていたことが分かります。この2年間の株式相場はファンダメンタルズではなく市場リスクの動向で左右されてきたことを示します。例えば市場リスクが高まっても、一方でファンダメンタルズが十分底上げされていれば株式相場の実数はむしろ上昇することもあるからです。
この2年間は、とりもなおさずファンダメンタルズが安定的に推移する半面で市場リスクが大きく変動したことを示しています。ファンダメンタルズの安定は上述のように当面続くと見られますので今後の相場見通しのカギを握るのが市場リスクの動向と言うことになります。
この意味で、足許で米中間の貿易摩擦の行方、Brexitの進み方、中東情勢の先行き等、注目すべきリスク要因に事欠かず、かつすでに市場リスクがリスクオンに近いところまで低まっている現状から、当面楽観が拡がり市場リスクがさらに低下し、相場が上値を追う展開に入るのは難しい局面にあると言えそうです。
(*)「リスク回避指数」
中立状態のリスクを50点として、40点から60点の間であれば通常のリスク状態、70点以上であれば「リスクオフ」、30点以下であれば「リスクオン」の状態にあるとします。さらに、80点以上は「極端なリスクオフ」、20点以下は「極端なリスクオン」の状態として区別しています。
下図は「リスク回避指数」の推移とリスク状態の基準を示すグラフです。

「リスク回避指数」の推移とリスク状態の基準─2018.1.4~2019.12.20─
(※ご注意:投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません)
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『投資の視点』(2019年12月24日号)より一部抜粋
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