年末の調整、年明けは中東情勢の悪化ということでドル円は久々に躍動感のある値動きとなっています。
そして本日は今年最初の米雇用統計発表が予定されていますが、110.00円という大台の節目を前にして非常に重要なイベントとなっていますから、いつも以上に注目しておきましょう。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)
11月の数字に対して+3.1%の高いコンセンサスを超えられるか?
市場は良好な数字を期待しているが先行指標は下振れ気味
昨日はダウもナスダックも過去最高値を更新しており、イケイケどんどんモードになってます。
背景には米国とイランの全面衝突の回避からの反動、さらには中国商務省が15日に米中第1段階合意について15日に署名すると発表したことがあるでしょう。
そして、本日22:30に発表される米雇用統計についても比較的強気の想定となっていますが、先行指標に目を向けるとやや気がかりな数字も並んでいます。

図1:先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
また、平均時給もまずまずの伸びを見せるとされており、前月比で+0.3%、前年同月比で+3.1%がコンセンサスとなっています。
一方、先行指標に目を向けるとADP雇用報告以外は前回から悪化しています。特に新規失業保険申請件数の増加に関しては、調査週の大幅な悪化に加え、4週平均のトレンドとしても増加傾向なのがやや気がかりですね。
また、前回分の非農業部門雇用者数は相当強いですから、反動による減少の可能性も気になります。
雇用統計は前月からどうか、という数字でもあるので、こういうパターンは警戒しなければなりませんからね。
それでも、今回も強めの数字を期待する背景には、ADP雇用報告が堅調であることはもちろん、表にはありませんが米国の雇用コンサルティング会社が発表している解雇・人員削減者数を測る指標であるチャレンジャー人員削減数が大きく低下したことが指摘されています。
つまり、レイオフ(解雇)がひと段落したという見方が堅調な雇用者数の数字に結びつくのではないかと考えられています。
というわけで、今回の雇用統計については、強気派も弱気派もそれぞれ根拠がある、なかなか悩ましいイベントになっています。
ただ、個人的には強めの数字を期待している分、弱い数字になった時の期待感剥落を重く見たいとは考えています。
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