途上国危機と表裏一体へ
第2の発展途上国債務問題は、中国政府に新たな負担としてのしかかってくる。
新興国は、中国から推定2,000億ドル(約21兆6,000億円)を借り入れているもようである。そして、過去10年間にリスクの高い新興国市場に約2兆ドルを投じてきたと『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月31日付)が報じている。発展途上国が金融難に陥れば、最大の被害国は中国になる。
当該発展途上国の資金繰り難は、先ずIMFへ緊急融資を申し入れている。その数は、すでに100ヶ国をゆうに上回っている。IMFが、緊急融資せざるを得なくなれば、中国との「密約」は開封されるはず。国際機関よりも高利で貸し付けている分は、金利減免を要求されるであろう。
欧米のエコノミストは、現在の新興国の金融状況が1980年代に発生した南米の債務危機になぞらえている。世界経済がリセッション(景気後退)に陥れば、問題はさらに深刻化すると警鐘を鳴らしている。上記のように、新興国は中国から推定2,000億ドルの融資と、2兆ドルの対内直接投資を受けている。
これら巨額な投融資は、無傷であり得ないだろう。まさに、「どうする習近平!」という緊急局面にぶつかっているのだ。
「一帯一路」に参加する国・地域は、70程度に上ると見られている。前記のように、IMFへ緊急融資を依頼した国が100ヶ国以上とすれば、「一帯一路」関連国全体が緊急融資依頼国と見て間違いないだろう。
こうなると、新興国の金融危機は中国の金融危機に直結するはずだ。世界経済危機は、中国経済危機という構図ができあがるであろう。
机上演習で中国危機作戦
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※太字はMONEY VOICE編集部による
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勝又壽良の経済時評
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経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。