もはや意味のある数字にも思えず、相場への影響は限定的か?想定レートは1ドル=105.50〜106.70円
悪いのは織り込み済みというか、もはや悪くて当たり前といった感覚でしょうか。2,000万人以上の雇用が失われたと発表されたADP雇用報告の時でも、発表直後は20〜30銭程度の円高になったものの、その後は切り返していますからね。
今回、非農業部門雇用者数が事前予想値の2,200万人減となったとして、どれだけ意味があるかというと疑問です。
株式市場を見れば分かるように、FRB(米連邦準備制度理事会)の超量的緩和により、ダウは下落から半値戻し、ナスダック指数に至っては年初の水準に戻しています。半年、1年先の回復を織り込むような値動きとなっています。
また、事前予想値から200〜300万人の乖離があったとしても関係ないでしょう。1,900万人減になろうと2,500万人減になろうとインパクト的には同じですからね。

ドル円(日足)チャート
トレード戦略としては、基本的には戻り売りということになるでしょう。一応、6日発表のADP雇用報告の弱さに初動は反応しましたからね。
今回の雇用統計でも、すでに結果が分かっているとはいえ、株安からの円高で反応する可能性は十分でしょう。
株式市場もカンカンの強気というよりは、昨日はダウが24,000ドルを維持できずに反落、ナスダックも9,000ドルの大台を維持できずでしたから、やや雇用統計などを見据えて利益確定する向きも見受けられました。
したがって、これまでサポートとして機能していた106.70〜107.00円を上値のメド、レジスタンスゾーンと考えて、戻り売りで対応していくのが良さそうです。106円半ば、106.50円ぐらいからは売りやすいでしょう。
損切りは107.00円ライン越え、利益確定は106.00円前後を狙っていきたいところです。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年5月8日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による