17日の日本株市場は、利食い優勢の展開になりそうだ。16日の米国市場ではNYダウが526ドル高となった。5月小売売上高が過去最大の伸びを記録したことや低コストの抗炎症薬でウイルス重症患者の生存率を高めることが明らかとなったほか、トランプ政権が1兆ドル規模のインフラ支出を検討しているとの報道が好感された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の22345円。円相場は1ドル107円30銭台で推移している。
小売売上高を材料視した米国市場の上昇は好感されるが、昨日の米株先物の上昇で織り込まれており、一方で日経平均の1000円超の上昇に対する利益確定の流れに向かいやすいだろう。また、中国が新型コロナ感染の再燃でウイルス対策の水準を引き上げたほか、米国でもテキサス州やフロリダ州で感染者数や入院患者数の増加が伝えられるなど、感染第2波への警戒感も強まりやすいところ。さらに北朝鮮の地政学リスクへの警戒も手掛けづらくさせよう。
ただし、利食い先行としても昨日の大幅上昇の反動といったところであり、売り一巡後は押し目拾いのスタンスになろう。日経平均は25日線を支持線としたリバウンドにより、5日線を一気に突破してきている。5日線は22400円処に位置しており、この辺りでの底堅い値動きをみせてくるようだと、ショートカバーの流れが強まりやすい。物色の流れとしては個別に材料の出ている銘柄の他、感染第2波への警戒からバイオ株のほか、テレワークなどへの循環物色といったところだろう。また、短期資金が中心とはいえ、地政学リスクへの警戒から防衛関連などへの値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。
その他、グローベックスの米株先物の動向を睨みながらの展開になりそうだが、NYダウ先物は100ドル安程度で推移しており、先物主導による短期の売り仕掛け的な動きが意識されやすいところ。もっとも、ポジションを大きく傾ける流れにはなく、売り仕掛け的な局面においては、冷静に下値を拾うタイミングを見極めたいところであろう。
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