反対意見がなければ、自分でつくり出す
ところで、組織の意思決定であれば、関係者に意見を求めることができます。しかし、聞いて回ったのに誰も反対者がいなかった場合や、そもそも自分個人の問題の場合は、どうすればいいのでしょうか。
その場合は、自分自身が反対者側に回ることです。
もし、会議などでプレゼンを行った際に、他人から反対意見が出た場合、あなただったらどうしますか?
仮に、何も準備をしていなければ、他人から突っ込まれた時に、おそらく答えに窮してしまうでしょう。だから、事前に反対者の立場に立って自分のプレゼンをチェックし、内容に漏れがないかどうかを確認して対策を立てておく必要があるのです。
たとえ誰も反対する人がいなかったとしても、安心してはいけません。ただ、表面的には反対していないだけの可能性もあります。何か新しいことを決定しようとすると、普通は反対者が現れるものです。
対立意見が「隠れた事実」を浮き彫りにする
仮に本当に誰も反対者が現れないのであれば、それはもしかしたら、自分の提案がすでに世の中に受け入れられていることだからなのかもしれません。全員一致で賛成している時点で、その決定は「すでに内容が古くて、価値を失っている可能性がある」ということです。
ここに、ドラッカー氏のいう「反対者を意図的につくり上げる」意味があります。対立意見は、隠された事実を浮き彫りにするからです。
たとえば書籍を執筆している時がまさにそうなのですが、「全員がイエス」という内容の本ほど面白くないモノはありません。誰かが深く共感している一方で、誰かが「こんなのは違うよ」というような本が面白いのです。万人受けは、ないと思ったほうがいいでしょう。
もし、「何かを変えたい」「どこが間違っているのかわからない」といったことを感じた時には、本日のドラッカー氏の言葉を思い出してみていただければと思います。
「反対意見に耳を傾けることで、見えなかったものが見えてくる」
3. 答えよりも大事なモノ
今回、最後の名言はこちらです。
「戦略的な意思決定では、範囲、複雑さ、重要さがどうであっても、初めから答えを得ようとしてはならない。重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである」
出典:『現代の経営(下)』(著:P・F・ドラッカー/刊:ダイヤモンド社)
名言の中にある「戦略的な意思決定」とは、何でしょうか。ドラッカー氏は、同書の中で戦術的意思決定と戦略的意思決定とを比較しています――
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『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2020年6月21日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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