中国本土の株の上昇が止まりません。ここまで突出した暴騰相場は、誰かの差し金でそうなっていると理解するほうが、むしろ自然ではないかとさえ思われます。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年7月8日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
中国本土株にバブル到来か
中国本土の株の上昇が止まりません。
6日にはかつて前例のないほどの上昇をみせ、時価総額はすでに日本円にして49兆4,000億円レベルにまで膨れ上がっているわけですから、いかがわしさは格別のものがあります。

上海総合指数 日足(SBI証券提供)
周囲を見渡してみれば、FRBにせよ日銀にせよ積極的に人工値付け相場を煽動し、株価の上昇感を醸成しています。
そんなわけですから、中国当局が1国2制度をすんなり廃止して香港をひとつの自治州として統括することにしたことを受けて、香港から多くの金融資金と人が逃げ出すのをただ見ているのではなく、踏み込んだ政策により中国本土の株式市場が再度活況を呈し始めるといった状況を作り出そうとするのは、特に驚くべきことでもないものと思われます。
中国の金融当局は、あくまで市場が動いてこうした状況になっているという雰囲気を醸成したいのでしょう。
しかし、ここまで突出した暴騰相場は「誰かの差し金でそうなっている」と理解するほうが、むしろ自然ではないかとさえ思われるところです。
ロビンフッダーのような個人投資家が席捲する相場を作り出したいのか
中国ではまた北京でロックダウンに近い状態が発生しており、状況的には決してポストコロナを醸成できるようなところにはないはずです。
しかし、いまやどこの国も無理して経済再開に前のめりになり、景気が大きく回復した印象を国内外に発信することはもはや為政者と政権に課せられた共通テーマのようになっています。
習近平としても、株価が史上最高値を更新する足元の米国NASDAQ市場のような状況を模倣したいのであろうことは、すぐに察しがつくものがあります。
また、米国株式市場で大流行りのロビンフッドやイー・トレード、シュワブなどを使った個人投資家の活発な投資状況と同じようなものを、中国株式市場に示現させたいのではないかといった見方も強まりつつあります。

上海総合指数 月足(SBI証券提供)
思い起こせば2014年からの狂乱的な中国の株式市場も、そうした状況を作り出したのは本土の個人投資家ですから、同じようなものを再度構築しようとしている可能性は高そうです。
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