バイデン勝利はほぼ確実?10月の株価は再び上昇トレンドへ
しかしながら、どんなにトランプ大統領が不屈の精神で頑張っても、これほどの醜態を晒してしまったのですから、「バイデン勝利」はほぼ確実でしょう。
10月5日のアメリカ株式市場は、「バイデン圧勝の確率が高まって、大統領選『後』の不透明感が払拭された」として、アメリカ株は大幅高を演じました。
今回の大統領選挙ではトランプ、バイデンのどちらが勝っても、「さらなる大規模財政出動+減税」vs「もっと大規模なさらなる財政出動+増税」との戦いなので、中長期のアメリカ株価の大
勢には、もはやたいした影響は無いでしょう。
私はこの10月も、アメリカ株式市場は「バイデン圧勝」を見込んでじりじりと上昇を続けると見ています。
当メルマガでは繰り返しお伝えしていますが、来年2021年、ワクチンが世界中に行き渡り始めれば、世界経済は「黄金の1950年代のような好景気」にわき始めることでしょう。2021年のアメリカ株式市場は、5%~10%の上昇をすると見ています。
ひるがえって、2020年10月。株価の動きから眺めると、株価の「下値」を探る「地固め」もほぼ
終了し、9月末日で「健全調整」はほぼ完了したと見てよいでしょう。
日米株価が足踏みしていた2つの理由
トランプ大統領が新型コロナを発症するまでは、10月月初のアメリカ株式市場も日本株式市場も「一進一退」の膠着(こうちゃく)状態でした。
10月2日までのアメリカ株式市場が膠着状態にあったのは、以下の「2つの懸念」があったためです。
1)さらなる追加の財政刺激策が大統領選挙「後」にならないと上院を通過しないと見られているので、なかなか上昇できなかった
2)11月上旬の大統領選挙でバイデンが「僅差で」勝利した場合、選挙当日以降も長い間「誰が大統領なのか?」の結果が確定しない懸念があったので、なかなか上昇できなかった
(1)の「追加の財政刺激策」については、1.6兆ドルから2.2兆ドルの間で決着が付きそうです。しかし、「決着は大統領選挙『後』にならないと付かないだろう」というのが、マーケット・コンセンサス(=大方の市場関係者の見方)になっています。
一方、(2)の「選挙結果が長い間確定しない」可能性については、選挙で「(圧勝ではなく)僅差で」バイデン勝利となった場合、トランプ現大統領が選挙結果に「不正があった!」と「不服」を申し立てる心配がありました。この場合、最高裁判所まで争いが続く可能性もありました。
だらだらと「アメリカ合衆国の大統領が誰なのか?」なかなか確定しない時間が続くかも知れなかったのです。
選挙後も「大統領が決まらない」リスクにご用心
最悪の場合、最高裁判決が「バイデン勝利」としても、トランプ現大統領が軍隊を出動させてホワイトハウスを占拠する可能性もありました。さらに、トランプの占拠に呼応するかのように、各地で極右勢力が暴動を起こす可能性もありました。
私個人も、「トランプ大統領の人格」はまるで信用できないので、「軍隊出動の可能性」「暴動の可能性」については、「テイルリスク(可能性は低いけれども、起きてしまったら株価の暴落を引き起こすかも知れない重大なリスク)」として、「大変恐ろしいことだけど0%ではない」と感じていました。「民主主義を標榜する先進国での権力の委譲」で、前代未聞の「独裁者による軍隊出動」といった、突拍子のない「珍現象」が起きる可能性が、ゼロ%ではないかも知れなかったのです。
万が一、こんな珍事件が発生したら、「トリプル安(ドル安・アメリカドル国債売りの長期金利上昇・アメリカ株安)」が巻き起きて、グローバル規模でのリスクオフが巻こる可能性があったのです。