「やってはいけない」その2:株価の動きにばかり気を取られる
取引を始めたばかりだと、つい自分の銘柄の損益が気になって、何度も株価をチェックしてしまいがちです。
しかし、損益を気にしたところでなんの解決にもなりません。もし下がっていて気を揉んでも、次の瞬間上がっているなんてことも往々にしてあるからです。もちろん、その逆もあります。
これを繰り返していたのでは精神が持ちません。
株価を気にして意味があるのは、秒単位で動きをチェックし、瞬時に取引を行うデイトレーダーの場合です。彼らは常に動きに集中し、反射的に取引を行います。そこまでしないと儲けられない厳しい世界だからです。
もしあなたが普通の兼業投資家なのだとしたら、彼らに勝てる可能性はほとんどないでしょう。したがって、兼業なら少なくとも数週間単位以上で取引を考えるのが得策です。
ちなみに私は数年単位の長期投資家なので、取引時間中に株価を見ることはほとんどありません。これが精神衛生上最も良いと考えます。
「やってはいけない」その3:信用取引
信用取引は、証券会社からお金を借りて、自己資金の最大約3倍までの取引を行うことです。単純に言えば、3倍の取引で利益は3倍、損失も3倍になります。
自己資金が少ない人にとっては、少しでも効率よく儲けようと考えてつい手を出してしまいがちですが、あまりおすすめできるものではありません。株の世界はそんなに簡単に儲けられるほど甘くありませんから、現物での勝ち方もわからないのに、損失が3倍になる取引を行うなんて、恐ろしい話です。
信用取引は、人間の心理と結びつくとより厄介なものとなります。損失が膨らむと、やがて自己資金が不足し「追加証拠金(追証)」が求められます。その時点で取引を解消すれば、損失は確定しますが借金が残るわけではありません。
ところが、人の心理はここで諦められないものです。損失を確定させたくないがために、無理して追証を払う投資家があとを絶ちません。やがては生活費や、消費者金融にまで手を出してしまう人もいます。こうして人生を破綻させてしまいかねないのです。
もちろん、例えばどうしても買いたい銘柄があるのに余力がない場合に一時的に使うなど、使い方によっては便利な制度でもあります。
しかし、それは投資の「いろは」をわかっているから使えるのであって、最初から楽をしようと思ってはいけません。まずは自己資金を貯めることから始めるのが得策です。
「やってはいけない」その4:空売り
空売りも信用取引の一種ですが、要するに株価の下げを予測して儲けようとする手法です。
株価が上がりすぎている銘柄を見るとつい「下がるだろう」と考えて空売りを仕掛けたくなりますが、そんなに簡単ではなりません。
なぜなら、大きく上がる銘柄にはどんどん新たな投資家が群がってきますから、その上げはかなりしつこいです。もう下がるだろうと思っても、そこから2倍になるなんてこともザラです。
これも信用取引と同様に、ヤバいと思ったらすぐに逃げることが肝心なのですが、慣れていないとなかなかできるものではありません。
さらに、空売りで怖いのは、損失に限りがないということです。現物取引なら最悪0になって終わりですが、空売りの損失は株価に上限がない以上「無限大」です。「買いは家まで、売りは命まで」という格言すらあります。
株価は企業の成績表とも言えますが、それを頑張って上げようとしているところに「下げを狙う」というのは、あまり好ましい物ではないように思います。
できれば、成績を上げることを期待していたいものです。