米ドル/円は105円付近でいったん下げ止まるか
さて、問題は「このあと」です。マーケットでは、「さらなる円高が進む」という予想が大勢を占めているようです。
実際、現在のところ、右を見ても左を見ても「円高材料」ばかりで、ドル円が上昇する(ドル高になる)余地など皆無に見えます。
ただ、僕は、「この先、一気に、さらなる円高が進む動きにはなりづらいのではないか」と見ています。
もちろん、米ドル/円の105円は、週足の200日移動平均線のラインであり、これは、「高くも安くもないレベル」ですので、さらなる円高が進む「余地」は十分にあります。
しかし、すでに年初から20円の下落です。「いくら何でも、短期間に下げすぎた」と思うのです。
テクニカル的に見て、このあとの下落スピードは、ゆるやかなものになる可能性がありますし、反発の可能性もあります。いったん反発が始まれば、テクニカル的には115円までの上昇がありえます。
つまり、「米ドル/円は、105円付近で、いったん下げ止まる可能性もある」と思うのです。ただし、アメリカの「ドル安政策」が明確である中、反発の上値は限られるでしょう。
日経平均も、14,000円付近まで下落する可能性をはらみながら、意外に「15,000円のサポートが強そうだ」と見ています。かといって、急騰急落が激しく、先が読みづらい。積極的に買える相場ではありません。
「明るい」相場展開は見えない
このあとの相場のイメージをまとめます。
もうしばらくは「円高、株安」の流れが続く。しかし、為替の105円付近、日経平均の15,000円割れ付近では下げ止まり、いったんは反発するのではないか。
ただし、反発があったとしても、それは「一時的な反発」で終わる可能性が高く、少なくとも11月まで「円高、株安」の流れは続きそうだ。
また、今回の米ドル円の下落が、このまま102円まで進む可能性を否定できないし、今年の後半、米ドル/円は90円まで下落しているかもしれないので要注意である。日経平均も14,000円までの下落は十分にありえる。
アメリカの景気減速がちらつく中、アメリカでは大統領選挙が終わる11月まで、積極的な投資をしようというムードになりづらいこと。原油価格は長期低迷しやすく、いぜん中国経済も怪しいこと。そんな中でイギリスのEU離脱問題もクローズアップされること。
こうした状況を見る限り、なかなか「明るい」相場展開は見えません。
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