来たる花~今週(4/10~4/14)の世界経済・市場の動きについて
<日米の決算発表が増えていくなか、国内株式市場は「不安の問屋」からの脱却なるか>
(まとめ)
今週は、日本では、2月本決算企業の決算発表社数が、先週よりも増えてきます。足元は外需系企業の収益改善が顕著ですが、2月決算企業は内需系が多いため、内容はまちまちだと見込まれます。ただ、3月決算企業の前哨戦として、収益に市場の眼が向かうとは期待されます。米国では、1~3月四半期決算の発表が、徐々に増え始めます。とは言っても、今週はまだ金融大手など少数で、発表の本格化は来週以降です。
他には大きな材料は少なく、日本の株式市場にとっては、「不安の問屋」からの脱却がなるかどうかがカギでしょう。
(詳細)
今週日本では、先週に引き続き、2月本決算企業の決算発表が行なわれます。先週既に決算を発表した大手企業はありますが、今週の方が注目される企業の発表社数は多いです。
ただ、足元で収益改善が目立つ日本企業は、主に輸出系です(世界経済の持ち直しによる輸出増による)。2月本決算企業にも、もちろん収益が好調なものは多々ありますが、総じて内需系企業(小売、外食など)が多いため、家計の慎重な消費行動を反映して、収益内容はまちまちだと考えられます。
とは言うものの、3月本決算企業の決算発表の前哨戦として、決算内容への注目は強まるものと考えています。また、今週も引き続き国内株式市況の地合いが悪いとすれば、内需系のディフェンシブ銘柄を物色しよう、という展開になるため、個別に収益面から安心感のある2月決算企業を拾おう、という投資家の動きはありそうです。
米国でも、1~3月四半期決算の発表が増えてきます。ただし今週は、4/13(木)を中心とした金融大手企業の発表が多く、一般事業会社も含めて発表が本格化するのは、来週以降になります。
他には大きな材料がありません。日本では、4/10(月)発表の3月の景気ウォッチャー調査や、同日公表の日銀さくらレポート(地方の景況感報告)が、国内景気の状況を推し測るうえで、注目されます。ただ、それで市場が動くことはなさそうです。
内外ともに、慎重ながら底固い相場展開を見込みますが、日本株については、「不安の問屋」状態を脱し、企業収益の回復をきちんと反映した株式市況に戻ることができるかどうかが、最大のカギであるように思います。今週からそうした適正な相場に戻るという自信はありませんが、いずれ企業収益を反映した株価上昇の色合いを強めると見込んでいます。
盛りの花~世界経済・市場の注目点
<日本株が「不安の問屋」に陥っている背景は?>
「過ぎし花」で述べたように、先週は、日本国内発の悪材料がないにもかかわらず、日本の株式市場が、世界各国のリスク要因を「不安の問屋」としてせっせと仕入れ、それぞれのリスクが発生している「お膝元」の国における株価下落以上に、日本株が大きく下がる、という展開でした。
こうした日本株の「不安の問屋」現象は、最近だけではなく、過去にもしばしば生じています。その背景要因は、次の通りだと推察していますが、いずれも残念なことに、構造的なものだと考えられます。
(3つの構造的な要因とは?続きはご購読ください。初月無料です)
※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』2017年4月9日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した「盛りの花~世界経済・市場の注目点 <日本株が「不安の問屋」に陥っている背景は?>」「理解の種~世界経済・市場の用語などの解説 <米連銀の債券再投資>」もすぐ読めます。
『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2017年4月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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