膨れ上がった期待が弾けるとき…1987(昭和62)年10月19日に何が起こったか?
ところが、もたついているうちに起こってしまったのです。ブラックマンデーという大暴落が。1987(昭和62)年10月19日に唐突に起こったような感じを受けました。あっという間に株価は暴落し始めました。
「値が付かない」
気配値だけで株価が溶けるように下げていきます。数日間売買が成立せず、売りたい希望価格の気配値だけが下がっていく恐ろしさ。
「やばい」
本当に真っ青になりました。
私はやっと1,010円で3,000株売却できました。でも反発するかもしれないと欲張って1,000株は残したのでした。しかし更に株価は下がったのでこれも909円で売ることになります。悔しかったのはヨコオが下がらずに4,200円まで上昇を続けたことでした。
1,640円で売れる可能性があったものを、1010円で売らなければならなくなったのです。電気興業の株価は、あれから29年たってもこの時の高値を更新できないままです。

電気興業<6707> 月足(SBI証券提供)
苦い経験が投資家を強くする
いまでは、このような一攫千金を狙って、夢を買うような企業に投資することはほとんどなくなりました。だから、アキュセラ・インク<4589>の暴騰や暴落については、6月2日ごろにある投資家さんのブログで知りました。
アキュセラ・インクの株に2015年12月までに投資した投資家は、私の電気興業への投資と同じように損はしなかったと思います。しかし今年に入ってから投資した投資家は大なり小なり損を負った可能性もあります。もちろん上げている最中に利喰いして大きく儲けた投資家もいると思います。

アキュセラ・インク<4589> 日足(SBI証券提供)
このような暴騰や暴落を経験することで投資家は投資力を磨いて、強い投資家、稼げる投資家に育っていくことも多いです。苦しい経験をし、その苦痛に耐えることで、経験を積み成長できるなら、無駄ではありません。
しかし信用取引などをしていて破綻して、株式投資から退場を余儀なくされたり、借金を背負い込んだら、回復するのに大変な苦労と時間がかかると思います。
低PERかつ低PBRの企業に投資していても、今年に入ってからは株価が下落して、かなり苦しい思いをしていた投資家は多いと思います。しかし、きちんと利益を出して、配当も払っている企業に自己資金で現物に投資していたなら、破綻するようなことにはならないでしょう。
『億の近道』(2016年6月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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