7月上昇→12月上昇のアノマリーのためには20,055円以上が欲しいところ。一方、4月上昇→8月下落のアノマリーは「見えないふり」をしたいところだ。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)
7月上昇→12月上昇に向け、日経平均20,055円以上が欲しいところ
動かなかった7月
昨日25日(火)の日経平均株価は小幅に3日続落。値下がり銘柄が1297と多かったが新高値銘柄も150。チグハグな展開となっており、指数だけを見ていると見間違いそうだ。
東証1部の売買高ランキングトップはレナウン、2位が協栄産業。「値ごろ感」という解釈が聞こえるが、機関投資家が関与しない、明確に個人投資家好みの銘柄たちの動き。指数に関係なく元気なマネーは多いということだ。
だから、東証1部単純平均株価が3000円近くまで上昇してきたとも言えよう。7月21日時点の信用買い残は2兆6210億円。7週連続増加で4ヶ月ぶりの高水準。信用売り残は前週比59億円減の9506億円。「約1兆円の踏みというのを見てみたい」という声もある。
225先物大証夜間取引は日中比130円高20050円と2万円台を回復。少し右肩下がりになった25日線(20,094円→20,090円)を追いかける格好だ。5日線(20,039円)では志が小さいのかもしれない。「一目均衡の雲の上限を割り込まなかったことが相場の強さ」と言う声も聞こえる。「勝手雲」の上限20,086円を上抜けることも重要だ。
ボリンジャーのマイナス1σが20,008円、プラス1σが20,172円と狭いレンジ。7月月足陽線基準20,055円と7月SQ値20,151円がこのレンジにすっぽり入っている。「動かなかった7月の象徴」に見えてくる。
株高アノマリー成就の条件
7月上昇→12月上昇(7月と12月は正相関)、これがアノマリー。一方で4月下落→8月上昇(4月と8月は逆相関)、これもアノマリー。
7月上昇→12月上昇のアノマリーのためには、20,055円以上が欲しいところ。もっとも4月上昇→8月下落のアノマリーは見えないふりをしたいところ。

日経平均株価 月足(SBI証券提供)
加えて今日7月26日株価下落の特異日のアノマリーもハズレて欲しいところ。救いは空売り比率が38.1%と40%を超えていないこと。そして日経平均採用銘柄のEPSが1397円まで増加してきたこと。
今年のリズムは4日続落までと決め打ちすれば、明日の反発を早取りする動きも出てこようか。
『「兜町カタリスト」』(2017年7月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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