日経平均の「1500円かい離」に注目
図10と11は、上段が日経平均株価日足、下段が終値から25日移動平均線を引いたかい離線です。図10を見ると、勢いの強い動きとなっている場合、かい離線が±1000円、または±1500円が反転の目安になっていることがわかります。

図10 日経平均株価日足

図11 25日移動平均線とのかい離線
図11では、12月9日の終値の時点で、かい離線が1000円前後に位置しています。
1000円前後で上値を抑えられるなら、9日の高値付近が強い抵抗になるはずですが、9日の夜間の先物が上昇している流れや、週明け後、すぐに円高になる動きを期待できないことなどを考慮すれば、今回、かい離線が1500円以上をつけるケースである可能性を考えておけます。
あとはかい離線が1500円以上をつけるのを待ちましょうというのであれば、何の予想にもなりません。次に考えなければいけないのは、かい離線が1500円をつける場合の展開です。
前述した通り、円・ドルは、もうすでに今回の円安の限界にきています。トランプ氏の政策を好感した買いが入っているとはいえ、実際、FRBが利上げを開始すれば、期待値よりも現実が優先して、株式市場全体の上値を抑えられ、NYダウは、調整局面へ入ることになります。
日経平均株価のかい離線が1500円を超えるには、あと数日で500円以上の上げが一気にあらわれる必要があります。3日かけて、500円の上げがあっても、その分、移動平均線も上げるので、かい離線の数値が500円幅の上げになりません。
1営業日で500円以上、2営業日で700円程度(日柄が長くなると上げ幅がさらに大きくなる)の上昇になる必要があります。
どうなるのか楽しみです。
なお、以上の予想は、そうなると言っているわけではありません。極端な値動きの場合の基準になる予想の組み立て方を示しているだけです。基準があれば、基準の通りにならない場合の次のシナリオがあります。基準の通りになるか否かは、結果でしかわかりませんが、利益を得るには、結果が出てからでは間に合いません。どうすればいいのかは、過去のここの記事を読めばわかることがあります。
過去の日経平均株価のシナリオの精度は、以下のアドレス(PDFファイル)で確認できます。
http://www.p-trend.jp/docs/Ito-NKPFM160801.pdf
※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2016年12月11日号を一部抜粋・再構成したものです。只今、2016年9月までのバックナンバーも無料公開中!ご興味を持たれた方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。
『『少額投資家のための売買戦略』』(2016年12月11日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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値動きには理由があります。一般的に言われているような確率や、需給の変化を見るだけでは、先のことなどわかりません。確率論や、統計データ分析をやりつくし、挫折を味わった経験があるからこそ、理解できた値動きの本質を書いてゆきます。