時価総額が実質現預金を下回る銘柄
本コラムでも取り上げてきましたテノックス<1905>、大成温調<1904>などのキャッシュリッチ銘柄に着目した筆者ですが、株高のトレンドの中にあって、未だに時価総額が所有している実質現預金(有利子負債控除後)を下回っている銘柄が存在するのに愕然としてしまうことがあります。
また、これだけでも驚きなのですが、保有する土地などの資産はデフレ経済の中ではまったく注目されてこなかったので、その資産価値を計算すると驚きの資産保有企業があちらこちらに存在していることがわかります。
デフレ脱却までは道半ばながら、資産価値(自らの収益力も含む)まで対象にした企業評価の中で時価総額が低水準のまま推移している銘柄群は、リスクテイクする投資家にとって魅力的に映るのではないかと思われます。
アドヴァン<7463>に注目
先日訪問した欧州産の高級床材・タイル販売会社として成長途上にあるアドヴァン<7463>(時価総額485億円・今期予想経常利益60億円)もそうした資産を保有する企業の1つ。原宿の一等地に本社ショールームを保有するほか、大阪や福岡などの都心部にショールームを設置。全国3か所の流通センターを活用した事業展開で高い粗利率を確保している企業なのです。

アドヴァン<7463> 日足(SBI証券提供)
TVCMによって一定のブランドを確立した同社は新たに1兆円市場へ積極的に参入しようとしています。ここでも自社の物流センターを活用したアマゾン型の事業展開を図れる点が強みです。
有利子負債はそこそこ抱えていますので一見してバリュー株には見えませんが、これは都心部に保有する資産価値の大きさで担保されており、含み益まで入れたバリュー株と言うことができます。B/Sには乗らない資産価値をベースに未来の収益拡大に向けた積極的な施策を打ち出しているのが目につきます。
東京オリンピック後のビジネス停滞を懸念する声があっての時価総額評価かも知れませんが、いずれ見直される余地があると思われます。
このところの株価は自己株処分価格よりも上に位置してはいますが全体相場が強い中にあって横ばい傾向にあり改めて見直しの期待が高まっています。
『億の近道』(2017年10月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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