パウエルが鳴らした株高バブルへの合図
では、何故こんなにも株価は上昇しているのでしょうか?
その背景には、9月末に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、パウエルFRB議長が非常にハト派的というか、マーケットに対してフレンドリーな発言を繰り返したことが影響しています。
ドラギECB総裁お得意の「できることは何でもする」とフレーズに加え、利上げペースが加速するとしたら、どのような場合かという記者の質問に対し、「インフレが上振れするときだ。しかし、そうなるとはみていない。我々の予測にはないことだ」と答えました。
つまり、FRB(米連邦準備制度理事会)は、これだけ米経済が加熱する中にあっても、なお低インフレを見込んでおり、ゆっくりとしたペースでの利上げを行うということです。あるいは、利上げを停止する可能性すらあるでしょう。
これら一連の発言を受けて、ややドルは売られたものの、その後の株価の上昇は、ご覧の通りです。まさにパウエルがバブルへの合図を鳴らしたと言っても過言ではないと思います。
というわけで、株高が円相場を支える以上、引き続きドル円を含めたクロス円は底堅いと考えるのが妥当と考えています。
先行指標は絶好調!市場も強めの数字を期待か?
それでは、いつものように先行指標や事前予想値を確認していきましょう。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
ご覧の通りオールブルーと全ての先行指標が前回から改善しています。かなり上振れしています。
また、前回はISM非製造業の雇用指数が弱めだったので、米中貿易摩擦問題が懸念されていましたが、なんのそのですね。記録的な高水準です。
これらを踏まえると、市場の期待値は事前予想値よりも高くなっていることでしょう。予想を上回るのは当然として、予想並みの数字だと初動はドルが売られる可能性に注意したいところです。