優良ビジネスの要素その2「規模」
規模は競争力を付けた結果としてもたらされるものですが、それ自体が競合を排除するものとなり得ます。
例えば、製造業ではより多くの製品を作れるほど、1製品あたりにかかる原価を下げることができます。これにより同じ商品をより安く売るか、同じ価格で売ることでより大きな利幅を獲得できるのです。経済学では「規模の経済性(スケールメリット)」と言います。
規模に太刀打ちできず、やがて競合他社が撤退してしまえば長期にわたって安定した地位を築くことができます。市場の独占は、企業に莫大な利益をもたらします。
市場シェアが高まれば、消費者はやがてその企業の商品を選択せざるを得なくなり、ますますシェアを高める効果を生みます。これを経済学の用語で「ネットワークの経済性」と呼びます。
<ネットワークの経済性を発揮するVISA>
ネットワークの経済性を最大限に発揮しているのが、クレジットカード決済のVISAです。

出典:VISA INC A<V> 月足(SBI証券提供)
世界で最も使用されているカードブランドですから、クレジットカードを採用する店舗は扱わざるを得ません。すると、消費者もVISAカードを持つことになり、この無限ループによりシェアはますます高まるのです。