長期投資では、買ってすぐは値下がりのことも
バイ・アンド・ホールドにおける長期投資は、ひたすら買い増していくものです。買ったり売ったりを繰り返す「トレード」ではなく、貯金のようにコツコツ積み上げる「貯株」の発想と言えるでしょう。予算の範囲内で、株価が下がったタイミングで最も良いと思える銘柄買い、あとは細かい株価の動きを気にせずに持ち続けるのみです。
もっとも、この方法は買ってすぐ大きな利益が出るというものではありません。むしろ、下がっている株に投資するため、どちらかと言えば買ってすぐは値下がりすることの方が多いとも言えます。それでもこの手法を勧めるのは、長い目で見たときにプラスになる可能性が高いからです。
割安な価格で良い株を買っていれば、その時市場から見放されていたとしても、きちんと利益が出ている企業にはやがて市場がその価値に気が付く時がやってきます。いつになるかは神のみぞ知りますが、それまでにできるだけ多く仕込んでいることが資産を増やすことにつながるのです。
最近で言えば、2013年からのアベノミクス相場が市場が価値に気づいたタイミングです。この相場で「億り人」となった人の大半は、2008年からのリーマン・ショック後の株価低迷期にも、コツコツと投資を続けてきた人たちなのです。

日経平均株価 月足(SBI証券提供)
相場の動きを気にせず、株価低迷期も予算通りに投資を進めていれば、相場の上昇局面で大きく資産を伸ばすことができます。逆に言えば、それまでは全く成果が出なくても問題ないのです。相場の上げ下げを予想することは困難を極めますから、私たちができることはコツコツと割安な株を買い続けることに尽きるのです。
投資をしても大して儲からないと思っている人は、十分な資金を投じていないことがほとんどです。まずは自らの家計を見直して、無駄な支出を省いて元手を確保することから始めましょう。
資産を作るための方程式は「(収入-支出)×投資×時間」です。収入を増やして支出を減らし、株価が下がったタイミングで良い銘柄に投資していれば、長い時間を経て必ず資産は膨れ上がっているでしょう。これを徹底すれば、将来の「億り人」も夢ではないのです。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年12月19日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。