Yahoo!がメルカリを買収する未来はあるか?
以上のようにメルカリの経営は相当厳しい状況と言わざるを得ません。
米国では勝ち目のない戦いで赤字を垂れ流し、QRコード決済も終戦を迎えたたように見えます。
その上、経営の軸である国内フリマアプリ市場はYahoo!、楽天といったインターネット業界の巨人たちが攻勢を強める戦国時代となっています。
株価は上場からずるずると下落を続けます。もし私が株主だったら、一刻も早く損切りを決断しなければならない状況です。

メルカリ<4385> 週足(SBI証券提供)
メルカリが自力で再建を図るなら、余力があるうちに米国事業やメルペイ事業から撤退することが必要です。出血を止めなければ、時間の流れとともに死を待つのみです。
その上で、国内のリユース市場に集中すべきです。利益が出ているとされ、利便性では競合に勝ります。この部分を、圧倒的な存在になるまで強化することが必要となるでしょう。
米国の状況を参考にすると、地元で直接売買できる方法を構築することも考えられます。「地元の掲示板」でおなじみの「ジモティー」の買収なども一案です。
もっとも、投資家としては会社を買うよりも、買われる方に魅力があります。買収されれば株価は上昇するからです。例えば、貪欲な買収を続けるYahoo!が、株価下落で「お得」になったメルカリを買収するという未来は、決して絵に描いた餅ではないでしょう。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年11月18日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。