国際関係を歪ませる一石となる?
折しも、中国とインドの間で緊張が高まっており、インド洋やアフリカが焦点になっています。この問題にも、今回の事故には悪影響です。
アメリカやインドにとっても、「この大切な時期に、日本はいらんことをしてくれたな」という感じでしょう。
当然、アフリカやインド周辺の国々は、この流出事故に対し、日本がどういう態度をとるかを注視しています。
日本のイメージが地に落ちる
日本でも、1974年に、岡山県倉敷市の三菱石油(水島製油所)から重油が流出する事故があり、“柄杓(ひしゃく)”で重油を回収する作業が衝撃的で、国民にショックを与えました。
瀬戸内海の広い海域が重油でべっとりと汚染され、当時、大問題となりました。
「瀬戸内海は死んでしまうのではないか」「漁業ももう無理だろう」と言われたのですが、石油自体がもともと地球上に存在するものであったことから、瀬戸内海の回復は、予想よりも早く進みました。
だからモーリシャスも……ということは考えられますが、こんな話は、もっと先のこと。いま、こういうことを言っても、まったく説得力はありません。
ですから、日本的な対応をすぐにやめて、しっかりと国が先頭に立って、商船三井や長鋪汽船に次々と指示を出す必要があります。
そうしないと、これまでの日本からアフリカへの援助がすべて「帳消し」になってしまうぐらいの、日本のイメージの悪化が懸念されるでしょう。
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- モーリシャスの原油流出事故は、対応次第で国際世論を敵にまわす(8/14)
- 来年の先行きは明るいが、壮絶なデフレ体制の破壊が起きる(8/7)
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『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2020年8月17日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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日本に影響を与えてきた欧米勢の勢力図が変化し、国際情勢も激変の時期を迎えています。トランプ政権の前の欧米勢力は、日本の1990年のバブル崩壊以降、日本の衰退を狙ってきました。超長期の経済サイクルである、コンドラチェフ・サイクルが、戦後最悪の大底でもあったことから、日本経済はデフレに陥り、低迷したままであったのです。ところが、トランプ政権の誕生以降、欧米勢の勢力は変化し、日本の今後も、大きく変わろうとしています。このメルマガでは、有料読者に限定して、ちょっと書きにくい話にも踏み込んで、欧米勢の動きをお伝えします。