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【展望】東京株式は反発の頃合い~残3営業日はダウ/為替/内需に注目!

今年もあと3営業日。年末は最終売買日である「大納会」に向けて株価が上昇する現象を指して、掉尾の一振(とうびのいっしん)と言われます。さてこの掉尾の一振は今年入るのでしょうか。結論としてタイミング的にはそろそろ反発してもいい頃合い、ただ為替がドル安円高方向にあるなど、注意したい点もあります。(『山の中の超相場観』)

今週の相場展望~タイミング的にはそろそろ反発してもいい頃合い

テクニカル的には安値圏

今年もあと3営業日。年末は最終売買日である「大納会」に向けて株価が上昇する現象を指して、掉尾の一振(とうびのいっしん)と言われます。株式市場のアノマリー(根拠はないが比較的当たりやすいとされる経験則のこと)の一つです。

先週は祝日が入りましたので4営業日でしたが上値の重い動きが続きました。先々週金曜日、日銀の金融政策について見方が分かれ激しく上下動し追加緩和でないことがわかったことで失望から長い上髭つきの大陰線が出現。市場心理を悪化させた影響があります。

ただ月曜下押ししたものの買戻しが入り下髭陽線が出現したことで一方的に売られる展開にはならず、その後NY市場が堅調だったことから高く寄り付くなどしたのですが買い上げる市場エネルギーも不足していました。

東証1部の売買金額は月曜こそ2兆5382億円あったものの火曜、木曜は2兆円を割り1兆9千億円台、金曜は1兆6049億円と4月6日以来の1兆6千億円台の薄商いが続きました。水曜が天皇誕生日の祝日休場、そして金曜は欧米市場がクリスマスの祝日休場で見送りムードが影響しました。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

TOPIX 日足(SBI証券提供)

TOPIX 日足(SBI証券提供)

さてこの掉尾の一振は今年入るのでしょうか。当塾の結論として、タイミング的にはそろそろ反発してもいい頃というのは、あります。先週の上値の重い動きは「年末の節税対策」としてある意味、仕方ありません。年内扱いが先週までで含み損を確定させる動きから上値が押さえられたとも言えるでしょう。

その影響でテクニカルは安値圏に突入です。東証1部25日騰落レシオが金曜、売られすぎゾーンを現す80%を割りました(76.5P)。新安値銘柄数も10月以来、最多の155。このへんを見ると、残り3営業日ですが新年度扱いでそろそろ割安感から公的資金によるお化粧買いが入ってもよさそうです。

為替動向に要注意、120円割れが円高のメドに

ただ注意をしたい点もあります。為替がドル安円高という点です。ECBの追加緩和が中身をともなわない前評判倒れだったことからユーロ高ドル安の流れが続いており、それがドル安円高に連鎖しています。1ドル120円割れが目前で市場心理が株買いにブレーキをかけている状態です。

またNY市場に過熱感が出ている点も心配です。VIX指数は15.74Pと今年後半の低い水準に接近している点は見逃せません。NYダウは反騰反落の上限下限の位置が徐々に右肩下がりになりつつあり現在上限の位置でさらに上伸するのは難しいかもしれません。来週から反落すれば東京市場の株買いムードに水を差します。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

以上の点を総合して考えると、今週月曜火曜ぐらいまでは上値の重い動きになる可能性も十分でしょう。

月曜のNY市場が続落の動きだとして火曜日の日経平均は寄り付き安く始まるものの、その後、テクニカル的な値ごろ感から買戻しが入る、というシナリオもありそうです。ですので空売り持越しは火曜日の寄り付きか前場安いところで決済などのイメージでいけばいいと思います。

注意したいのはそのときにドル円がどのくらいの水準か、です。さらにユーロ高ドル安が続いた場合、ドル安円高がさらに進行する可能性もあります。

もっとも今年8月から9月の世界的株価暴落のときも1ドル120円割れがドル円の底値圏でした。鉄板のようにそこから買戻しが入っています。米国はゼロ金利解除を今月決定し、今後も緩やかに利上げ方針であることを考えると、今度のドル安局面も120円割れが底値圏という見方をしていいと思います。

というわけで日本時間ですでに120.12円までドル安円高が進行しており、残す不安は月曜NY市場の動きですので買い戻すタイミングを図る方向で見ていきたいところです。NY市場は月曜の下落で止まらず火曜日まで下げ続ける可能性もありますが、水曜日東証は大納会であることを考えると、火曜日あたりに下げ止まると考え、見切り発車で空売り買い戻し、新規買い付けというイメージでいいでしょう。

Next: 買い支えが入るのは東証1部大型株から。新興市場は慎重に

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