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ヒラリーもトランプも消える、アメリカ大統領選「第3のシナリオ」とは

オバマの「プランC」

さて、バイデンとオバマは、本当にヒラリーを大統領にしたいと考えているのでしょうか?

まったく違います。オバマがヒラリーを擁護してきたのは、前述したようにベンガジ事件の真相を闇に葬るため、知りすぎたヒラリーが口を開かないように陰でサポートする必要があったからなのです。

しかし、オバマがFBI長官にジェイムズ・コーミーを任命したことによって、それは完全に封印されたといってもいいでしょう。

これから自制が効かなくなったヒラリーが何を言おうが、米国のメディアが「精神異常者のたわごと」と片づけてしまえば、誰もヒラリーの舌禍を取り上げようとしないでしょう。
「彼ら」は、これで完全にヒラリーをコントロールすることができるのです。

これが「プランB」であることは、前号パート1で説明しました。

有力なウェブサイト「WND」の主力コラムニスト、ジョセフ・ファラー(Joseph Farah)は、米国の良識派の心情を代弁しています。

……他の誰もこの問題について尋ねないならば、私が質問したい。

「大統領閣下、トランプが選挙に勝って次期合衆国大統領になった場合、あなたは快く、そして平和裏にホワイトハウスを去り、ホワイトハウスの前任者すべてがそうしてきたように、同じような方法で権限の委譲を行うことを約束できますか?」

この質問に答えるのは非常に簡単だ。これは、先週以来のオバマの言動に対する扇動的レトリックである。

そう、オバマ陣営と彼のシャドウ・キャビネットにとっての最大の問題はトランプなのです。

それでも、ドナルド・トランプが11月8日に勝利したとき、オバマは紳士的にすんなり辞任して、すべての権限をトランプに移譲するのでしょうか?

「トランプは狂人そのものである」と言い続けてきたオバマやバイデンが、世界中の人々が見ている前で、トランプにホワイトハウスのキーを手渡すのでしょうか?

それこそ、オバマは国家的反逆者ということになってしまうはずです。オバマとバイデンは、その矛盾に対する弁明を今のうちに考えておいた方がいいのかも知れません。

国家的非常事態

しかし、そうしなくても済むケースがひとつだけあります。それは、11月8日の大統領選挙が行われなくなるような国家的非常事態が起こった場合です

米国では、6月1日からハリケーン・シーズンに入ることから、毎年その直前にテレビ各局が国民に注意を呼びかけることは恒例となっています。

オバマも5月31日、「気候変動によって年々、ハリケーンが強力になっている」と国民に向けてスピーチを行い、その内容がホワイトハウスの公式サイトに掲載されました。

ハリケーンが大型化していることは確かなことですが、そもそもオバマが、それを公式に警告することは、この数年なかったことです。

ホワイトハウスの公式ページに目を通した人であれば誰でも大いなる違和感を感じることでしょう。

その内容は、ハリケーンに対する注意喚起というよりは、むしろ最寄りのFEMA避難所(造りは収容所に見えるが)への行き方を道案内する「FEMAアプリ」を、携帯電話にインストールするよう促す内容になっているからです。

「FEMAアプリ」は、米国民にハリケーンのような気象災害だけでなく地震などの天変地異、太陽フレアなどの宇宙的異変、大規模火災などの自然災害、また、経済災害による暴動、テロなど20種以上の危険に対して安全を確保するための情報を提供することができる、というものです。
(※メルマガ第160号「経済崩壊と世界規模の気候大変動と日本版FEMAの創設」にて詳述)

ある種の甚大な国家危機が、今から来年の1月の間に起これば、バラク・オバマは、過去数十年の間、大統領執務室において密かに受け継がれてきた並外れた強大な権力のいくつかを行使することができるでしょう。

仮にトランプが11月8日に行われる一般投票で大統領に選出されたとしても、正式に大統領に任命されるのは翌年1月です。それまでは、米国にどんな悲劇が起こってもトランプには対処する権限が与えられないのです。

されに、その間、米国内でカタストロフィーが起こればトランプは大統領に任命されません。

なぜなら、トランプを熱烈に支援している「99%」の米国の有権者でさえも、カオス状態になった米国の非常事態をトランプが収拾できるとは考えないからです。

オバマが、ホワイトハウスの公式ページにトランプに対する批判を堂々と載せて、その最後を「米国の有権者のみなさんは、今こそ声を上げざるを得ない節目に差しか掛かっているのである」と結んだのは、次のような含意があるのです。

「もうすぐ米国はカオス状態に入る。そのとき、一刻も早く事態を収拾しなければならない。大統領としての能力の一つもないトランプの言うことに惑わされてはならない。われわれこそが、みなさんを守ることができるのだから」と。

「オバマには反対だが、米国が本当の意味で破滅的事態に至る前に平静を取り戻すとのできるのはやはりオバマだ」と、米国の人々は思うようになるでしょう。

「99%」の人々は、あっさりとトランプ大統領の夢を反故にしてオバマ政権の延長をしぶしぶ認めるようになるのです。

Next: オバマに無制限の権限を与える「大統領令第51号」とは?

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